第25話

変な感情
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2021/01/16 01:34

月島くんに連れてこられたのは、しんとした廊下だった。


使われていない部屋のドアと大量に積まれた段ボールが、狭い廊下をさらに狭くしている。







月島「………ばっかじゃないの」


あなた「えっ、」


突然の悪口……!!


彼の左手はうちの腕を掴んで、離さなかった。


ただでさえ背が高いから威圧感すごいのに、切れ長の瞳のせいでさらにそれが増している。


あなた「な、なんかすみませ_________」


月島「うるさい」


後ずさりしたら背中が壁にぶつかり、完全に逃げられなくなった。



あ……これ詰んだやつだ☆


月島「何で男の人に立ち向かおうとしたの、自分が非力なの分かってるでしょ」


あなた「い、いやぁ、でも、あんなに細い潔子さんと比べればうちの方が強そうだし、嫌な目に合わ

せたくなかったから________」


途端に、彼はうちの腕をぎゅっと強く握ってきた。


ナンパされた時の男の人への恐怖がよみがえり、抵抗してしまう。


月島「ほら、振り解いてみなよ」


あなた「うぐっ……」


びくともしなかった。


いくら細くても、月島くんは男の子で。


月島くんだって力は強かった。


諦めて、身体に入っていた力を緩める。


月島「ほら、できないでしょ。ホント、危機感とか持ってよ危なっかしい」


あなた「すみません……」


ふわりと緩まった彼の手の力と、暖かいぬくもり。


その安心感に、一粒だけ涙が溢れた。


あなた「……怖かったです…」


月島「…そ」


あなた「今だけでいいから、甘えてもいいですか………?」


そう聞くと、彼は少し驚いたような顔をした。


そしてすぐに、肯定するようにうちの頭を撫でてくれる。


それを合図に、うちは彼の胸に飛び込んだ。


かけたままの眼鏡が心配だったけど、今はいいや。


彼のシャツをキュッと掴んで、おでこを彼にくっつけた。


月島くんは、弱いうちをそっと包み込んで、ぎこちなく背中をなでてくれる。




ずっと冷たいと思っていた彼が、こんなに温かい人だと知った。


そう考えると、急に胸が温かくなって_________

















少しだけ、頬が熱くなった。






何だろうね、これ。



変な感情____________________。




















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読んでくださりありがとうございました😊

いやツッキーに抱きしめられる世界どこ

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