第152話

未来のかかった試合
2,308
2021/06/17 22:00

和久南戦は烏野が2セットを取り、勝利を収めた。






皆さんこんにちは、兎和あなたです。


現在、ベンチで伊達工VS青城戦を観ているところです。


伊達工のブロックこわいです。青城のアタックこわいです。


色々もう恐ろしいです。



日向「伊達工のセッター、新しいやつだ」


隣に座る日向くんの言葉に、ふと伊達工のコートを見る。


ボールを上げようとしているのは、背の高い、金髪に黒髪のシャキーンが乗っかってる男の子だった。ゆうくんの逆バージョンである。



彼はポン、と高くボールを上げた。



あなた「いやたっか!!」


二口さんこの前高いトス苦手って言ってたのに!!



その得点は、青城に取られてしまった。


烏野の面子の顔を見ると、皆ポカンと口を開けている。


あれ、うまく使えれば最高の武器になるはずだとは思うんだけど……。



あなた「あの子、すごく身長高いね」


日向「うん……」



「あれはうちの新兵器、大型セッター、黄金川です」



伊達工の先輩がおっしゃったその名前。


なんか、すごく………お金持ちそう!!



黄金川くんは、今度こそいい感じの高さにトスをあげたが……タイミングが合わず、そのボールは優しく、伊達工の監督の腕の中へ。


あなた「………」



黄金川「しゅみません!!校庭百周してお詫びします!!」


二口「そこはトス練しろよ!!」





あ、二口さん。


そういえば、二口さんに何か言われていたような……?





『烏野との試合に勝ったらさ、俺と付き合ってよ』






あなた「あ、あはは、はぁ……」


日向「どうしたの?」


あなた「こんなにも青城を応援したいと思った日があっただろうか」


日向「嫌なことでもあったの?」


あなた「うん、あったの」



皆のことを考えると、やはりどちらも勝ってほしいとは思う。


ただ、この勝負はうちの未来がかかっているのである。


二口さんは優しいけど、8割ほど腹黒というか生意気というか。



二口「誰かが俺をバカにしている気がする!!」



…………考えるのはやめよう。











その試合は、青葉城西の勝利で幕を閉じた。

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