第40話

体育館への登場
4,824
2021/01/29 23:08

翌日、仙台市体育館にて


うちら、烏野高校男子バレー部は、インターハイ予選のため、仙台市体育館に来ていた。


周りには、他校の大きな人たちがたくさんいる。


日向「うっひょひょーい!試合楽しみだな!」


あなた「そうですね…!…でも、はしゃぎすぎないでくださいね?あっ」


他校の人にぶつかりそうになった日向くんを慌てて引っ張る。


あなた「もー…」


日向「ありがとな、あなた!ニカッ」




…………許す。



他校A「…とり…とりの?」


他校B「烏野じゃね?」


他校の人の声が入ってきて、思わず足を止める。


他校A「ちょっと前まで強かったところじゃん」


他校B「あぁ、ちょっと前まではね」



なんだと?


聞き捨てならないことを聞いたんですけど。


他校B「今なんかねー、ダッサイ名がついてんだよ」


他校A「えぇ?wwどんな?」




他校「落ちた強豪 飛べない烏」



むかっときて、うちら烏野は彼らの後ろから圧をかけてやった。


田中先輩なんか、すんごい目つきで彼らを睨みつけている。



他校の1人が後ろを振り返る。


他校B「…おい、やばいって」


他校A「ん?」


田中「飛べない…?何ですってぇ?」


彼らの間に割り込み、さらに圧をかける田中先輩。


しかし、澤村先輩に襟首を掴まれ、引きずられていった。


烏野のみんなは、何事もなかったかのように去っていく。


うぅ…でも、うち、他校の方々に何か言いたいなぁ…。



澤村先輩が少し離れた瞬間、うちはその他校さん(?)達の目の前に立ちはだかった。



他校A「うおっ」


他校B「今度はなんだよ」


あなた「烏野は強いんです!強くなったんです!彼らの試合する姿、絶対に見てくださいっ」


むんっ、と頬を膨らませ、宣言する。


言ってやった……



澤村「あなたー…?」


あなた「………」


大将に見つかってしまいました。


うちはさっきの田中先輩のように、あっけなく引きずられていった。



他校A「烏野のマネ…?」


他校B「可愛い…」







奥に入っていく彼らを慌てて追いかける。


ようやく追いついた時、また他の高校の方の声が聞こえた。


「あっ、あれは…烏野の東峰!」


その声に、旭さんはビクッと肩を震わせる。


「北高のやつを手下に使ってボコらしてたとか…!」


「路上でなんかやばいもん売りつけてたりとか…!」


「5年留年してるんだって…」


最後のは置いといて、ありえない噂に、彼は相当傷ついたようだ。


菅原「はぁ…まあまあ、いつものことじゃん?」


澤村「見た目がそんなんだからだろ?」


旭「おっ、俺は、なんかこう、外見からでもワイルドな感じになりたいと思って…!」


菅原「ほらもー、そんなこと言うところがワイルドじゃないもーん」


菅原先輩の釘を刺すような言葉に、旭さんはまた落ち込んだ。


あなた「大丈夫ですよ旭さん!留年しまくった成人の力見せてやりましょうよ!」


旭「は、はぁ…」


澤村「…あなたは、無意識で毒を吐く子なんだな」


あなた「…?」



「…おい、あれ見ろ」


また誰かが話している。


その人達の目線の先は…潔子さん。


武田先生と、歩きながらおしゃべりをしているようだ。


「かーわい」


「声かけてみろよ」


「いっちゃう?いってみちゃう?」


その瞬間、ゆうくんと田中先輩の目がぎらりと光った。


潔子さんを守るように、彼女の周りをぐるぐると回る。


清水「…やめなさいっ」


バシッとバインダーで叩かれる2人。


痛いと嘆くどころか、穏やかな顔をしている。


ノヤっさん「潔子さんに…叩かれた」


あなた「ゆ、ゆうくん…田中先輩…?」


清水「心配しなくていいよ。いつものことだから」


心配しなくていいんですか…。




さらに前を歩いていくみなさんに、うちは慌ててついて行った。











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