第179話

角名くんってひと
2,195
2021/08/05 21:00

あなた「たっだいまー!!」


母「おかえり。元気いいね,どうしたの」


あなた「稲荷崎の人とおしゃべり出来るんでしょ!?今日!」


母「あら、ちゃんとLINE見てくれてたのね。そうなの,ある男の子と電話が繋がってるから、あなたとお話させてみようかなって」


あなた「う………うちが話すの?それはちょっと……」


母「ほらほら、電話番号も送ったでしょ!部屋で存分話してきて!」



初対面の人と存分に話すことなんてないですけど……。


ウキウキしているお母さんにそんなことは言えず,うちは稲荷崎の誰かさんに電話をかけることとなった。






ー部屋ー




プルルルルルッ




『………はい』


あなた「稲荷崎の方ですか?あの、今度臨時マネージャーとしてお世話になる兎和です」


『あー、聞いてる。ひょろひょろって聞いてるけど大丈夫?』



初対面だよね?ってか、関西弁じゃないんだ、この人。



角名『俺、2年の角名倫太郎ね』 


あなた「じゃあ、倫くんって呼びますね!」


角名『あ、あぁ…別に良いけど。あのさ、ウチのバレー部、結構曲者いるけど大丈夫?』



文面だけなら心配してるように見えるけど,めちゃくちゃ棒読みである。


囁くような声はとても優しく,かなりカッコいいとか言ってみたりする。



あなた「曲者?烏野もそんなのたくさんいますから大丈夫ですよ」


角名『あ、そう?女嫌いの奴と飯好きの奴と真っ直ぐすぎ主将がいるけど大丈夫?』


あなた「あ、結構クセ強……でも暴言王様と意地悪ブロッカーと人たらし先輩よりは全然」



倫くんは先輩だけど、意外と話せる。


なんというか、今の話を聞く限り,倫くんは稲荷崎バレー部の中で1番マシなんじゃないかと考えてるから。










角名『……じゃ、おやすみ』


あなた「おやすみなさい」




ブチっと電話が切られる。


どんな曲者がいても,倫くんがいればきっと大丈夫!!!





____
おまけ‥数日後のあなた


倫くんがいればきっと大丈夫なんて思ってた自分を殴りたいです。

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