第129話

角川学園の2メートルくん
2,891
2021/05/04 22:00

「「お願いしゃーす!!」」



試合が始まった。


うちの隣では、緊張で固まった仁花ちゃんがじっと皆を見守っている。




あなた「……大丈夫」


谷地「……う、うんっ!」




「おー、あんたも観に来たのか、烏養先生」


烏養「おー」



観戦に来ていたおじさんが、どことなく誰かに似ているおじさんに声をかけた。



う……かい……?



谷地「烏養コーチのお父さん。私、日向の忘れ物届けるときに会ったの」


あなた「あぁ、誰かに似てるって思ったら」



あの目元は、烏養コーチと瓜二つだ。


尊敬の意をこめ、うちは彼に小さく会釈をした。





試合は、旭さんのサーブではじまった。


西谷「旭さんナイッサー!」




旭さんの打ったボールは空を切り裂き、相手コートにまっしぐら。相手の手が出ることはなかった。



「「っしゃあぁー!!」」



あなた「早速サービスエース!!」


谷地「すごーい!」


烏養「やるじゃないか」


烏養さんは、烏野バレー部の元監督だとか。そして、厳しいと有名だったらしい。


そんな烏養元監督から彼らにそういうお言葉を頂けるのは、マネージャーとしてすごく嬉しかった。




あなた「田中先輩ナイッサー!」






〜試合割愛〜



彼らは合宿の成果もあり、相手のフェイントや読みにはるかに上手く対応していた。



その結果。 烏野VS扇南  25対16、25対13で、烏野の勝利となった。





あなた「やったー!!皆ナイスプレー!!」


谷地「いぇーいっ!」



隣の仁花ちゃんと、パチンとハイタッチをした。



日向「俺も俺も!」


あなた「いぇーいっ!(パチンッ」



二回戦目突破。



あと、何戦勝てば______________。















ひとしきり休憩も終わったうちらは、次の相手の試合を見に来ていた。



彼らは、確か____________角川学園、?



2メートルの一年がいると話題になっていた。


でも、あの打ち方、あのレシーブを見る限り……多分、まだ始めたばっかり。


うちもその辺はよく分からないけど、彼のレシーブの仕方が、日向くんがまだレシーブがままならなかった頃に似ている気がして。


そんな感じかなーって、思ったんだ。





澤村「次の試合、絶対突破するぞ!」



「「おーっす!!」」



皆に、さらに気合が入った頃。うちらのそばを、二メートル君が通った。


その大きさに、日向くんと仁花ちゃんは震えている。



山口「201センチと162センチか……」


日向「なっ、四捨五入すれば俺は163センチだっ!」


月島「201センチと162センチ…40センチ差か」


日向「聞ーけーよーっ!!」


谷地「わわっ、40センチなんて、キ◯ィーちゃんと同じサイズだよ!そんなに大きくないよ」


月島「それはフォロー?」


山口「ピカ◯ュウも確か40センチ」


あなた「わっ、我◯だのロボ◯さんだって、多分40センチくらいだよっ!(嘘)」


月島「フジクジラも」


山口「ツッキー博識ぃ!」








その頃日向くんは。




日向「俺……フジクジラと合体したい……」


影山「は?」




謎の試みをぼやいているのでした。









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