「「お願いしゃーす!!」」
試合が始まった。
うちの隣では、緊張で固まった仁花ちゃんがじっと皆を見守っている。
あなた「……大丈夫」
谷地「……う、うんっ!」
「おー、あんたも観に来たのか、烏養先生」
烏養「おー」
観戦に来ていたおじさんが、どことなく誰かに似ているおじさんに声をかけた。
う……かい……?
谷地「烏養コーチのお父さん。私、日向の忘れ物届けるときに会ったの」
あなた「あぁ、誰かに似てるって思ったら」
あの目元は、烏養コーチと瓜二つだ。
尊敬の意をこめ、うちは彼に小さく会釈をした。
試合は、旭さんのサーブではじまった。
西谷「旭さんナイッサー!」
旭さんの打ったボールは空を切り裂き、相手コートにまっしぐら。相手の手が出ることはなかった。
「「っしゃあぁー!!」」
あなた「早速サービスエース!!」
谷地「すごーい!」
烏養「やるじゃないか」
烏養さんは、烏野バレー部の元監督だとか。そして、厳しいと有名だったらしい。
そんな烏養元監督から彼らにそういうお言葉を頂けるのは、マネージャーとしてすごく嬉しかった。
あなた「田中先輩ナイッサー!」
〜試合割愛〜
彼らは合宿の成果もあり、相手のフェイントや読みにはるかに上手く対応していた。
その結果。 烏野VS扇南 25対16、25対13で、烏野の勝利となった。
あなた「やったー!!皆ナイスプレー!!」
谷地「いぇーいっ!」
隣の仁花ちゃんと、パチンとハイタッチをした。
日向「俺も俺も!」
あなた「いぇーいっ!(パチンッ」
二回戦目突破。
あと、何戦勝てば______________。
ひとしきり休憩も終わったうちらは、次の相手の試合を見に来ていた。
彼らは、確か____________角川学園、?
2メートルの一年がいると話題になっていた。
でも、あの打ち方、あのレシーブを見る限り……多分、まだ始めたばっかり。
うちもその辺はよく分からないけど、彼のレシーブの仕方が、日向くんがまだレシーブがままならなかった頃に似ている気がして。
そんな感じかなーって、思ったんだ。
澤村「次の試合、絶対突破するぞ!」
「「おーっす!!」」
皆に、さらに気合が入った頃。うちらのそばを、二メートル君が通った。
その大きさに、日向くんと仁花ちゃんは震えている。
山口「201センチと162センチか……」
日向「なっ、四捨五入すれば俺は163センチだっ!」
月島「201センチと162センチ…40センチ差か」
日向「聞ーけーよーっ!!」
谷地「わわっ、40センチなんて、キ◯ィーちゃんと同じサイズだよ!そんなに大きくないよ」
月島「それはフォロー?」
山口「ピカ◯ュウも確か40センチ」
あなた「わっ、我◯だのロボ◯さんだって、多分40センチくらいだよっ!(嘘)」
月島「フジクジラも」
山口「ツッキー博識ぃ!」
その頃日向くんは。
日向「俺……フジクジラと合体したい……」
影山「は?」
謎の試みをぼやいているのでした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。