第204話

おともだち
1,960
2021/08/29 22:00
 あなた「んぅ〜……ん?」



あれ?昨日北さんと閉じ込められて……寝ちゃって……




なんでちゃんと布団の中にいるんだろう。


まさか、あれ全部夢?夢だった?




………そっか。夢か。




じゃあ………なんでゴミ箱にチョコのゴミが入っとるんだ。


もういい。細かいことはきにしない。










あなた「おはようございます、チベットスナギツネくん」


角名「HA?」



すでに玄関の前にいた倫くんに挨拶をし,2人並んで歩き出す。



角名「てか昨日は災難だったね」


あなた「あっ、夢じゃなかったんだ」


角名「え?」


あなた「いやー、起きたら布団の中にいたので。北さんの腕の中が気持ち良すぎてもう爆睡ですよぉ」


角名「ん?」


あなた「?」


角名「今なんて」


あなた「……爆睡ですよぉ……」


角名「そこじゃねぇ」



倫くんは何があったのやら,一人でブツブツ呟き出した。怖い。




あなた「倫くん………倫くん、目の前電柱だよ」




ゴッ。




角名「い''っ………」












「なぁ、やっぱり角名センパイと付き合っとるん!?」




教室に入るなり,それがうちにかけられた第一声だった。


かなり大きな声だったので,周りの子達は一斉にこちらを振り向く。



あなた「え………なんで、ですか?」


「いっつも一緒におるやん!しかも宮ツインズと仲良い女子とかレアもんやで!?」


あなた「は、はぁ……」


「で、どうなん!?付き合っとる!?」


あなた「いえ、全くもってそんなことはないです」



真顔でキッパリ断ると,その子は目を点にした。



「……そうなん?良かったぁ」



あなた「え、なんでですか?」


「……好きやねん,角名センパイ」



おぉっ、これは好きな展開が来ました……!!



あなた「が、がんばれ!」


「……っ、ありがとー!!あんたほんまはええ子やんなぁ!!名前は!?」


あなた「と、兎和あなた、」


「アタシのことイチって呼んでや!下の名前『イチカ』やねん。アタシが、アンタの兵庫の友達第一号や!!」







兎和あなた、16歳。



兵庫で初めての,お友達ができました。






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