うちと潔子さんは、近くのスーパーまで来ていた。
ほら、皆潔子さんのこと見てる。
お前らには渡さないからなっ!!
清水「何が必要なの?」
あなた「えっと、にんじんとキャベツと、もやし…ですかね。あと豚肉も」
清水「おっけ。私野菜コーナー行ってくるね」
あなた「はいっ、お願いします!」
豚肉を見つけたので、野菜コーナーへ向かった。
??「ね、いいじゃん。近くにいいカフェあるからさ」
??「俺たちと一緒に行こ?」
…あ、潔子さん、やっぱりナンパされてた。
どうしよう、助けに行かなきゃ…!
知らない人怖い、助けたい、知らない人怖い、助けたい…
たっ、助けるっ!!
あなた「ちょっと待ったああああっ!」
ズザーっと男の人たちと潔子さんの間に入り込む。
あなた「きっ、潔子さんに、手を出さないでくださいっ!!」
ばっと両手を広げて、相手を睨みつけた。
怖くて、声が震えてしまう。
清水「あなた、ちゃん……」
男「へぇ、君も結構可愛いじゃん」
男2「一緒に来る?」
あなた「行きません!あなたたちには着いていきませんし、潔子さんは絶対に渡しませんっ」
男「……生意気」
男の手がこちらに伸びてくる。
いくじなし。
何でここで、足が動かないの_________
清水「あなたちゃんっ」
潔子さんにぐいっと手を引っ張られて、そのまま地面に崩れ落ちた。
清水「この子には触らないでください」
潔子さんの顔は見えない。
でも、すごく怒ってるんだろうなって思った。
男達が、かすかに空気を変えていたから。
男2「…チッ、行こうぜ」
男「おもんな」
男達は悪態をつきながらも、どこかへ行ってくれた。
あなた「…ご、ごめんなさい…」
清水「何で謝るの?助けてくれてありがとう」
あなた「でも、結局、守られちゃった……」
潔子さんはうちの目の前でしゃがみ込むと、よしよしと頭を撫でてくれた。
清水「ううん、私だけじゃ動けなかった。あなたちゃんがいたから、動けたんだよ」
あなた「……っ、」
潔子さんの優しすぎる笑顔に、胸が熱くなった。
清水「ただいま戻りました」
武田「おかえり!ごめんね、2人とも」
あなた「いえ、うちは本当に何もしてなくて…潔子さん、ありがとうございます」
清水「いいえ。こちらこそ、あなたちゃんの勇姿が見れて嬉しかった」
武田「……?」
武田先生は、きょとんと首を傾げていた。
清水「よしっ、あなたちゃん、ご飯作りに行こ!」
あなた「はっ、はい」
手を引っ張られながら、うちは廊下を走った。
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読んでくださりありがとうございました😊
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。