第173話

結婚は待ってくだサイ
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2021/07/30 22:00

第三セット  20対25 で、第三セットは白鳥沢に取られてしまった。



白布さんが覚醒し、ウシワカを魅せるようなトスを連発したのである。




第四セットでは、両者劣らず,どちらかが一点取ればどちらかが一点取る,というような状況だった。


緊張感溢れるプレーに、両手を胸の前で握り、震える体をおさえていると。





??「あっ、あなたちゃーん。やほっ」



あなた「お、及川さん……!?岩泉さんも…!」


ベンチから手を振ってきたのは,私服姿の青城幼馴染コンビだった。



及川「あっ、俺は忌々しい白鳥沢と烏野を見に来たわけじゃないよ?あなたちゃんに会いに来たんだよ」


岩泉「嘘つけ,ちょっと気になってきたんだろーが」


及川「むっ、違うもーん」


あなた「及川さん、眼鏡似合ってますね」


及川「えっ、ほんとー?俺これから毎日メガネ付けちゃおっかなー」


岩泉「やめとけ気持ち悪りぃ」


及川「ひどいっ!」


岩泉「悪りぃなあなた。俺らは良いから、アイツらのプレー見てやってくれ。行くぞクソ及川」





岩泉さんに引きずられていく及川さん。まるで嵐のようでした………。








影山くんの調子が少し悪くなった。


第四セットまで,ぶっ続けでセッターをやっているからだ。


それに気づいたコーチが,セッターを菅原先輩に変えると言った。


菅原先輩は「ハイ!!」と頷き,心の準備をする。(ちなみにあなたちゃんは一階に降りてます)



あなた「凄かった、日向くんと影山くんの速攻!」


日向「にひひー、だろぉ?」


澤村「あなた、日向が調子乗っちゃうぞ」


あなた「はっ、いけないいけない」


日向「酷いっ」



緊張感のないこんな会話をしていても、なぜか菅原先輩は絡んでこなかった。


ふと見ると,彼は手を組んで,ぎゅっと目を瞑っていた。



手が震えている。



遭遇したことのある状況でも、緊張や恐怖は抱かずにはいられないものだ。



あなた「せんぱ____________」







ぎゅっ。




潔子さんが菅原先輩に歩み寄り,手を握った。




菅原「………!?!?!?」





菅原「けっえ、結婚は待ってくだサイ!!!」


清水「大丈夫、菅原と結婚の予定はない」


菅原「それは分かんないだろ!?」



澤村「手なら俺が握ってやるぞ………?」


旭「いや、俺が……」



菅原「やぁめろやめろ!清水の匂いが取れちゃうだろーがーっ!!」


澤村「うるさいっ!お前だけずるいっ!!」




武田「雰囲気は問題なしですね!」


烏養「あ、あぁ……」




手、___________。




山口「…あなたちゃん、どうしたの?」


あなた「うちも潔子さんに手握ってもらいたい」


山口「あ、そっち?」





主)菅原の手を握った清水にヤキモチを妬いたのかと思っていた山口であった。

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