第130話

角川学園と金髪の人
2,777
2021/05/06 22:00

ちょっと長くなりそうなので、試合は全部割愛しちゃいます💦


試合が見たい!って方は、動画を調べて見ていただいて……汗汗


すみません……。








ーーーーー



日向「っしゃああああ!!…うわあああああ!?」←田中に持ち上げられる日向




烏野VS角川  25対22 25対19




烏野は、日向くんと影山くんの速攻、それから皆のサポートにより、烏野は勝利を収めた。


やはりあの男の子……百沢くん?は、まだバレーを始めたばかりのようだった。




ただ、それでもうちらは油断してはならない。



百沢くんがさらに練習すると、誇るべき身長、実力を備えた恐ろしい人材が出来上がるはず。


彼を舐めてはいけないな。




でも。



これで、うちらは春高予選に出場することが出来るのだ。



まずはこの実績を、喜ばずにはいられないよね。




あなた「やったーっ!!」


隣の仁花ちゃんに飛びつくと、彼女は異常なくらいに号泣していた。








田中&西谷「「潔子さん!!荷物お持ちしまっす!」」


清水「もう大体持ってもらったから」



試合後も2人は相変わらずで、潔子さんのクールさも変わらなかった。


……2人フリーズしてるし。



清水「あ、私、最後に忘れ物ないか見てくる。2人は先に行ってて」


谷地&あなた「「はいっ」」



潔子さんに指示され、先を歩いている一年生組にトコトコついていく。


あなた「すごかったねー皆」


谷地「ねー……日向?どうかした?」



立ち止まって自分の手を見つめている日向くんに、仁花ちゃんが問いかける。


彼はグッとその手を握り、まっすぐな目を向けた。



日向「これでやっと、大王様とか牛若JAPANと同じ土俵だ!」



あなた「そーだねぇ。いやー良かった良かっt」



日向「ひぎゃあああああああ!!!」



一年「「わああああっ!!」」


日向「弁当箱忘れた!!ちょ、誰か着いてきて!迷子になりそう!!」


とっさに近くにいた自分の手を掴まれた。


日向くんは、うちが追いつけないような速さで駆けていく。



あなた「うわああああああ!!日向くん!うちも方向音痴だからあああああ!!」











少し迷いつつ体育館に戻ると、2階で、聞き覚えのある声がした。



??「いーじゃん。番号だけ!」


清水「すみません…」


むむっ、潔子さんの声!!


と思って、その方向を見てみると。



潔子さんは、金髪の男の人に話しかけられていた。


その様子を見て、日向くんは驚愕、空いた口が塞がらないとでもいうような顔をしていた。



あぁ……あの時もこんなだったな。


自分がナンパされてるわけではないけど。


あの時……潔子さんを助けようとした時の恐怖が蘇ってきて、背筋に汗が一筋伝った。




あなた「ひ、日向くん、どうしようっ……!」


日向「怖そうっ…!!」



それでも男か!!と突っ込みたくなったが、日向君の身長は女子と言われてもまぁ問題ない気が((。



清水「すみません…」


??「あーじゃあ読み取るからさぁ、携帯貸してよ」



日向「ちょっと待ったああああああ!!!」



男の人たちと潔子さんの間に割って入っていった日向くん。彼を『小さな英雄』として讃えたい。


でも……彼らに立ち向かった日向くんは、やけに震えていて頼りない。



あぁっ、もう!



あなた「ちょっと!!ウチのマネージャーに手を出すのはやめてもらえますか!?」


あぁ、声、震えちゃった。


でも、これでも頑張った方なんだよ。


彼らの方に向かっていくと、潔子さんに積極的に話しかけていた人にフッと笑われた。



??「君もすごくかわいーね。何、オレンジ君の彼女?」


あなた「かのっ……!?」


??「君も連絡先交換する?今携帯あるかな?」


と、少しずつ近づいてくる。



怖い、怖い怖いっ……!!



ちょうど隣にいた日向くんに思わずしがみつくと、彼はびくりと反応して。




……ピョーン、と飛び跳ねた。



あなた「!?!?」



相手も「なんだこのバネ!!」と思ったことだろう。


日向くんは、うちと潔子さんを背に、両手をグッと伸ばして守るような仕草を見せてくれた。



日向「あなたとっ、し、清水先輩はっ、うちの大事なマネージャーなのでっ!あのっ、その、」


??「へー!」



先ほどまで、ただのチャラい男の子だったその人の空気が、変わった。




この空気は、この人たち……バレー、やってるのか。



??「へー、お前らが倒したのか!」


日向「はいっ、まぁ、」


??「あーあ、俺も2メートルと遊んでみたかったなぁ」



遊………ぶ?







??「試合はちょー楽しい遊びだろ?」




日向「あ、あの、一次を突破した人たちですか?」



??「一次?俺たちは一次予選出てませーん」


あなた「で、出てないってことは、つまり…」


日向「インターハイ予選ベスト8以内…!?」


??「あー、4だったかなぁ」



うちらが驚いているにもかかわらず彼は平然と答えると、「楽しみにしてるぜ」とだけ言って帰っていった。


??「あっ、君たちの電話番号、今度教えてねー」



教えるかっ、バーカバーカ!!


……なんて、口が裂けても言えないけどな!



あなた「結局また、潔子さんのこと助けられなかった……」


清水「ううん、助けようとしてくれただけで嬉しいよ。あと日向、これお弁当」


日向「あわわっ、ハイッ!」



日向くんは潔子さんから弁当を受け取ると、すぐに背中に隠してしまった。



清水「そのお弁当の包み、かわいい」


日向「うあっ、これは、夏っ……妹のであって、俺のではっ…!!」


お弁当を隠しながら慌てている日向くんに潔子さんはクスリと笑うと、うちに向き直って。



清水「あなたちゃんも。帰ろっか」


あなた「はっ、はい!」




日向くんの気持ちが分かった。



こんな美人に話しかけられたら、そりゃ慌てちゃうよな。

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