第3話

男子バレー部
9,499
2021/01/03 02:47


山口「ここだよ」

2人の後についていくと、そこにあったのは体育館。

中から、微かにボスっボスっとボールを打つ音が聞こえてくる。

月島くんが重そうなドアを開け、山口くんとうちは後に続いた。


あなた「し、失礼します…」


体育館の中にいた人達の視線がこちらに注がれる。


………というか、前の2人が大きいから、うちはその後ろにしっかり隠れてしまっている。


山口「皆さん!マネージャー候補、連れてきましたよ!」


その山口くんの声を聞いて、うちは彼の背中からひょこっと顔を出した。


あなた「ど、どうもです……」


うわぁ…遠目でもわかる、皆さん、めっちゃ背、高い…。


反応を待っていると、急に坊主頭の人と前髪だけ金髪の小柄な人が走り寄ってきた。


あなた「えっ、えっ!?」


ど、どうすればいいのだ!?


??「お前、男バレのマネやるのか!?」

こっ、声でか!!


あなた「あ、はい…?」


??「やったぜノヤッさん!女子マネが増えた!!」


その走ってきた2人はハイタッチをして、うちに抱きつ…こうとした。


誰かがうちの腕を引っ張って、ギリギリ回避したのだ。


…………まぁ、坊主さんと''ノヤッさん''は外に勢いで突っ込んで行っちゃったんだけど。




うちを助けてくれたの、誰?



??「ほら、やっぱりとろい」



…月島くんだった。



ニヤリとイジワルそうな笑みを浮かべるのは腹立つ。




………でも、助けてくれた、よね?


あなた「月島くん!」  


部室に向かおうとしていた彼の裾をくいっと引っ張り、呼び止める。


月島「…何」





あなた「あ、ありがとう!………ございます……」


感謝の意を伝えるときは、相手の目を見て。


お母さんがそう言っていたのに、なかなかできない。


視線をそらして、ちょっと拗ねたような言い方になってしまった。




彼はちょっと驚いた顔をしていた。



月島「………ん」



え、そ、それだけ?

山口「あれ、ツッキー、耳赤くない?」

月島「うるさい山口」
 
山口「ごめんツッキー☆」

そんな会話をしながら、月島くんと山口くんは、そのまま部室へ向かった。





………あれ、ここ、知り合い誰もいないよね?

…やばくね?うち、どうすれば良いん?


気づけば、うちの周りにはバレー部の人達であろう男子が集まっていた。


あ、圧が……!!


怖くなって、思わず隣にいた人の裾を掴んでしまっていた。


??「どうしたの?怖い?」


幸い、その人はすごく優しそうで。


ちょっとほっとした。


あなた「怖くない、です。兎和あなたです…よろしくお願いします…」


??「手、ちょっと震えてるの伝わってくるよww

   俺、3年の菅原孝支。よろしくね、あなたちゃん」


??「ちょ、スガさんずりーっすよ!女の子に裾握られたことなんて俺、一回もないんすけど!」


あなた「確かあなたは…ノヤッさん、でしたっけ?」


??「おう!2年の西谷夕だ!よろしくな!」


あなた「ゆう、くん…」


ノヤッさん「ふぇ!?///」


あなた「あ、家で飼ってるチワワ、ゆうちゃんって言うんです。女の子だけど…」


??「あーっはっは!!ノヤ、ゆうくんだってよ!可愛いな!!


   あ、俺田中龍之介。よろしく!」


あなた「す、すみません。ふと思っちゃったもので…」


ノヤッさん「……いや、それでいい」


…え、いいの?


ノヤッさん「女子に下の名前で呼ばれるのは悪くない!!(きっぱり)」


ほ、ほぅ…?


??「俺、日向翔陽!1年!なぁ、バレーできる?トスあげてよ!」


あなた「え、え?トス、ですか?」


用語はわかるけど、うちバレーやってないし!!


ワクワクした子犬のような瞳で見つめられて、ちょっとドキッとする。



…………か、可愛いっ!!!!!!!!!!


何、男子バレー部って可愛い人多くない!?


山口くんとか、菅原先輩とか、ゆうくん(って呼んでいいのかな)とか、日向くんとか!!


??「ウルセェ日向ボケェ。俺1年の影山飛雄っす。おねがいしゃっす」


影山くんの他にも、バレー部の人たち全員が自己紹介をしてくれた。








あぁ…温かい。


いま、すごく幸せかもしれない。


頼られて。歓迎されて。こちらに優しい笑みを浮かべてくれる。



皆さん。




あなた「っ、よろしくお願いします!!」










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何か、あんまり博多弁関係ないですねww


まぁ、これからちょこちょこ出てきますよ。あは☆


じゃあ、ばいちゃ!    ←使い方合ってます?コレ








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