黒尾「あーツッキー、ブロックは___________」
次の日の夜の自主練。
明日にはもう烏野へ帰らなければならない。寂しい。
だから今日は少し長めに自主練しようということで、うちと黒尾さん、月島くん、そして梟谷の例の2人は、体育館を借りて練習することにした。
ちなみに何故うちがここにいるのかというと、体育館の戸締りを任されているからである。
時間を制限しなければ何時間でも練習しようとする彼らに制限時間を与え、この敷地内に何個かある体育館の戸締りを任されたのだ。
つまりは、子守のようなものである。
あなた「月島くん、ブロックちょっと変わったね。すごく自信を持ってる感じがする」
月島「……そう」
黒尾「ツッキーは大好きなお兄ちゃん達に色々教わってたんだとよ。俺もいきなり進化したからびっくりしちゃったよ。お兄さんは嬉しいです」
月島「誰がお兄さんですか」
木兎「俺もお兄ちゃんなるーっ!!」
赤葦「落ち着いてください木兎さん。この体育館、住宅地に1番近いから聞こえますよ」
彼らは今から休憩をするようだ。
新しく持ってきたタオルを渡し、次はもう一つ隣の体育館に向かう。
そこでは、日向くんと影山くん、ゆうくん………殆どの烏野メンバーが集まっていた。
その側では、仁花ちゃんと潔子さんが速攻の記録をとっている。
うちは2人に駆け寄り、状況を確認した。
あなた「皆さん、どんな感じですか?」
清水「良い感じだよ。月島はどう?」
あなた「それがですね、_____________」
ノートをめくりながら彼のブロックの成果などについて述べていく。
彼が変化したのはブロックだけじゃない。心情も少し、変化した気がする。
本人も、多分気づいてるだろうな。
『バレーが楽しい』って、思い始めてるって。
いや、ずっと思っていたけど、心の奥底にしまっておいて、無かったことにしようとしていただけか。
とにかく、これは嬉しい変化なのである。
澤村「あっ、おーいあなたー!最近の試合の結果見せてくれないかー?」
あなた「あ、はーい!」
そういえば、試合の勝敗を記録したやつ、自分が持ってるんだった。
慌ててノートを挟んでいたバインダーを取り、澤村先輩の元へ走って行った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。