第67話

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2021/03/04 21:51

部室にて


久しぶりに部室に入ったというのに、目の前に飛び込んできたのは正座させられる4人の姿だった。


澤村「…いーかお前ら。まずお前らがこれから絶対に守ることは!!授業中に寝ないこと!」


旭「そこからなのか…」


澤村「根性だけでいきなり徹夜!日中の授業も部活もぐずぐず!なんてことはもってのほかだ!」



日向くん、倒れてるし…。


何もしないってのも何だし、掃除するか。


うちは澤村先輩の言葉を聞きながら、かけてある雑巾で棚を拭き始める。


月島「お先でーす」


「「おー、お疲れ〜」」


あぁっ、置いて帰りやがった!



天使菅原「だいじょーぶ。そもそも高校入試はパスできた訳だしさ」


田中「スガさぁん!」


堕天使菅原「まーこれで授業中寝てたら、マジ覚悟しとけよ」


わぁ…。


怖っ。



田中先輩が菅原先輩に怯えている間、日向くんは影山くんに何か耳打ちをしていた。


影山「…はぁ!?いやだ!」


日向「おいワガママ言うな!赤点取ったら、遠征行けないんだぞ!音駒だぞ?東京の強豪がゴロゴロなんだぞ!行けなくても良いのか!」


影山「…ちっ」



折れたようだ。












あなた「日向くん達、こっち方面でしたっけ」


日向「んーん、ちょっとお願い事があるんだ!」


影山「おい、月島いたぞ」


日向「ほんとだ!月島あああああああ!!」



夜だよ!声がでかい!



うちらの前にいた月島くんと山口くんは、2人揃って振り返った。


日向「…さん。勉強教えてくれ!」


月島「え…?嫌だけど」


あぁ、そういうことね。


勉強教えてくれって頼むために、こっち方面に来たんだ。


日向「1日数十分とか、それか勉強法をちょこっととかでも、」


山口「…部活前後に、ちょこっとぐらいなら良いんじゃない?」


ここに天使現る。


しかし、月島くんは意地悪な笑みを浮かべ…


月島「ちょっとぉ、小さい方にばっか頼ませるって卑怯じゃないのぉ?そっちのでっかい方」


影山「んぐっ」


日向くんは小声で「影山頼めよ!」と諭している。


うちにはどうすることもできない。


教えてもらうつもりないしね。




影山「…………教えてください」


月島「はいぃ?」


影山「…勉強、教えてください」


月島「よく聞こえないんですけどぉ」


影山「勉強を!!教えてくださいゴラアアアアア!!」


皆「「うわあああっ」」


烏養「うるせぇぞお前ら!近所迷惑だ!」



あ…ここ、坂ノ下商店の前だった。


「「さ…さーせん」」


月島「何で僕まで…」




あなた「むー…ほら!月島くんも山口くんも帰りましょ!日向くん、月島くんOKしてくれるみたいだから!また明日〜!」


月島「はぁ!?言ってな…ん」


グッと背伸びし、彼の口を両手で塞ぐ。


あなた「…ちょっとくらい、良いですよね?」



月島「…はぁ」



渋々了承してくれた。

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