第162話

準決勝
2,168
2021/07/15 22:00

※試合だいぶすっ飛ばしてます







ーーー



試合は終盤に差し掛かる。


現在、青城が20ポイントで1点リード。先に20点台に乗られてしまった。



澤村「慌てなくていい。まだ1点だ!」






…………あ、山口くんだ!



ピンチサーバーとしてコートに入るようだ。



彼は10番の札を掲げている。日向くんはそれを受け取り、拳を交わした。



田中「頼むぜ山口!」


旭「落ち着いてな!」


澤村「思い切り行けよ!」



山口「ハイ!」




今日の山口くんは調子が良かった。


何度も点数を決めて、本当にかっこよかった。


そのため、周りの期待値も高いだろう。


でもやっぱりまだ心配。って、うちお母さんみたいだな。



胸の前でギュッと両手を握って祈る。


どうか、ここで成功して___________。





会場に緊張が走ったとき、山口くんはジャンプフローターサーブを決めた。


狂犬ちゃんを狙っているようだ。



狂犬ちゃんはそれにオーバーで応えようとしたが、指先を掠めてボールはコート外へ。



しかし、ギリギリのところで岩泉さんがカバーした。



あなた「はぁ!?」


谷地&冴子「ひぇええええ!?」


滝ノ上「繋ぎやがった!?」



ボールはそのまま返ってくる。影山くんがトスの体制に入った。



皆が一斉に走りだす。シンクロ攻撃だ。



ボールは旭さんを選んだ。が、しかし、ボールはまた岩泉さんがカバー、それから及川さんからの花巻さんのフェイント。



影山くんはギリギリ取ることができず、「くそッ」と嘆いている。(それをみている及川さんはすごく満足げでした)




日向「山口ドンマイ」


山口くんは日向くんと交代した。


ここから見てもわかる、ギリっと唇を噛んでいるのが。



すごく、悔しいだろうな……。






烏養「山口!__________良いサーブだったぞ」


山口「ッ………」



彼は、監督に一礼をして、縁下さん達のいる方へ戻って行く。



死なないなら良いじゃんかってうちは言ったけど、悔しいもんは悔しいよね……。





次は及川さんの化け物殺人サーブにより、一点失点してしまった。




一ついいでしょうか。


現在、恐ろしい状況に至っております。



青城がマッチポイントなのです。


点をとにかく 取らなければ、烏野は負けてしまうのです。


しかも、烏野の得点は22。もはや窮地に立たされている。



冴子「……あなた。手が震えてんぞー」


あなた「う、」





冴子「マネージャーなんだろ?アイツらも馬鹿だけどさ。ちょっとはアイツらを信じてやんな。大丈夫だから」



ドン、と背中を押された感覚がした。



あなた「ハイ!!」





タイム後の試合は、及川さんのサーブから始まった。



彼の殺人サーブは勢いよくこっちにぶっ飛んでくる。



しかし、……なんと、澤村さんがカバーしたのだ。



全員「「おおおっ!!」




旭さんのバックアタックで点を決めた。



「「っしゃあああ!!」」






それからも、日向くんの割り込みブロックや、インした菅原先輩のカバー、影山くんのフェイントにより、まさかの烏野1点リード。





あと一点取ったら、青城に勝つ。



その事実に頭が追いつけないけど、まだ喜ぶには早い。


ここからが、勝負なのだ。








ピーッ!



冴子「負けんなーっ!!」


あなた「頑張れー!!」




うちらの決勝進出がかかった一戦がスタートした。


それは菅原先輩のサーブでスタートした。


ボールは岩泉さんが取るが、体制を崩した。及川さんがトスをあげ、狂犬ちゃんがアタックするが田中先輩が顔にあたる直前でカバー。



そこで、菅原先輩と影山くんがセッターの位置を入れ替わった。影山くんもシンクロ攻撃に入るつもりだ。



旭さんがバックアタックを決めるが、しかし花巻さんがカバーする。アレを何度も取るなんて、花巻さんの腕はどうなっているんだ。



ボールはそのままコート外へ。



及川さんがボールを追いかけながら、誰かを指さす___________岩泉さんだ。



及川さんは無理な体勢から遠くへトスを打つ。



あなた「あ、あんなのアリ!?」


谷地「体幹お化けぇ!」




岩泉さんはそのボールのもとへ走り、大きく飛び上がる。


及川さんは一度体勢を崩して転んだが、反動を生かしてまた走りだす。



ドンピシャな岩泉さんのアタックは___________澤村先輩が取った。



そのボールはコート外へ行くが、田中先輩がカバーする。




旭さんが、ネットからかなり遠いところから打った。





及川さんがそれを拾う。しかし。



ボールがネットに当たった。狂犬ちゃんがカバーに入る。




金田一くんのアタックが、菅原先輩のこめかみに当たった。





日向「寄越せえええええええ!!!」




日向くんが走り出した。



影山くんがトスをあげる。



日向くんが飛び上がる。しかし、目の前には3枚ブロック。




行け。行け______________!!!!!











日向くんと影山くんの速攻は、ブロックの間をすり抜けてゆく。




それは及川さんの手に当たり_____________落ちた。

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