続いて、烏野vs青葉城西。
さっきの試合、及川さん率いる青城は圧勝だった。
恐ろしや恐ろしや。
何故かうちの方が緊張してきて手が震えてしまう。
手の震えを必死に堪えていると、その手に誰かの手が重なった。
及川「まーまー、震えなくっても大丈夫だよ?」
あなた「…ひぅっ!」
あまりの驚きに、悲鳴はすぐ消えてしまった。
だってだって!!
初対面で手握られるとか、経験ないんですけど!!
うちの異常にすぐ気づいたのか、菅原先輩が駆け寄ってきてくれる。
菅原「あの…手、離してもらっていいですか」
いつもより低い声に、肩がびくりと跳ねる。
あなた「菅原、先輩…?」
及川「菅原って言うの?ごめんごめん。この子、あまりにも緊張してたみたいだからさ」
菅原「初対面の人間ですよ。女性にそういうのは流石に」
及川「カタブツだねぇ〜。ほら、リラックスしなって!」
及川さんは、いつのまにか手を離してくれていた。
及川「君達がマネージャーのことも気にかけないから俺が気をきかせてあげたんだよ」
少し煽るような口調。
それでもサマになっているのは何故だ。
菅原「…それはすみません。でも、緊張を解かすっていう小さなことでも、この子の初めては俺がいいから」
あなた「……?」
及川「へぇ…」
火花散らすのやめてもらえます?
月島「…何やってんの。ほんっとバカ」
あなた「あがっ」
首根っこを掴まれ、変な声が出る。
月島くん、人遣い荒いぜっ☆((
月島「…菅原先輩、僕も僕なりに頑張るので」
菅原「そうだね。ま、今あなたを助けたナイトは俺だけどね」
あの…火花散らすのやめてもらえます?
及川「えー、俺も混ざる〜!」
ちょっと黙っといてください。
この空気をどうにかしなきゃと、うちは月島くんの背中をパンと叩いた。
あなた「そうですね!月島くんなりに、頑張れ!」
月島「…君、僕がバレーのこと言ってると思ってる?」
あなた「え、違いました?」
月島「はぁ…」
ため息をついて皆の中に戻っていく月島くん。
あなた「えぇ…?」
及川「んー、今のはあなたちゃんが悪いかな」
あなた「何で!?」
菅原「俺もそう思う」
あなた「菅原先輩までぇ…!」
ノヤ「あなた凹むな!俺はあなたの味方だからな!」
あなた「ゆうくん…!!✨」
嬉しいよ。
でもね、ゆうくん。
君、明らかにさっきの会話聞いてなかったよね。
最近不定期ですみません!
今日から3日間、学年末テスト頑張ってきます!
土日はそれぞれ2本ずつ投稿する予定なので、楽しみにしていてください!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。