第117話

バーベキュー編(後)
2,973
2021/04/23 08:45

あなた「えっと…まず何からすれば…」


とりあえず紙皿と割り箸は渡されたものの、どこで何を取って食べれば良いのか分からない。



生川の人たち、ちょっと怖いし……。



??「どうしたの?」


あなた「ぅあっ……」


驚いて振り返ると…そこにいたのは、確か木葉さんという人。


その声と顔が優しくて、なんとなく心がほんわかする。


あなた「どこで、取ったら良いのか分からなくて…」


木葉「そっか。じゃあ、俺と取りに行く?あそこ、梟谷の人達ばっかり集まってるから、そこ行こっか」


あなた「は、はいっ」


そう返事をして、木葉さんについて行く。


リエーフくんに『従順な子犬みたいww』と笑われたので、とりあえず頭突きをしてやった。



届かなかった。





木兎「ん?あなたー、どうしたんだ?!」


木葉「どこで食べたら良いか分からないみたいだから。連れてきた」


赤葦「従順な子犬みたいですね」


あなた「あれデジャヴ?」


木兎「まーとりあえず、食べなさいって!!ほら!!」


差し出されたキャベツが美味しそうで、一口パクリと頬張った。


木兎「意外と食べるんだな!あなた!」


あなた「好きなものは別腹なので!」


ニッと笑って見せると、木兎さんも「俺もだ!」と笑い返してくれた。


赤葦「あなたさん…そんなんだと、マジで騙されますよ」


あなた「え」


木葉「ねー…俺もちょっとびっくりしちゃったけど」


あなた「そうですか…まぁ、まずは食べましょう!ね!」



赤葦「1番小さいのに1番食欲がある……」


木兎「ちょっと黒尾に肉もらってくるわ!」


木葉「いや…木兎が同率1位だな」




あなた「んまー…」


澤村「月島ぁ」


口をモグモグさせていると、端っこの方で主将達に絡まれている月島くん達を見つけた。



澤村「もっと食べなさいよ!」


月島「いや…僕はそんなには」


黒尾「ほらー野菜も食えよ!研磨もだコルァー!」


研磨「(ビクッ」←めっちゃ横に首を振る研磨くん


木兎「肉だろ!肉を食えツッキー!」



楽しそうで何より…あ、ママ組が喋ってる。


ちなみに、ママ組ってのは菅原先輩、海さん、夜久さんのことである。



あなた「ほんわかだな…あっ!潔子さん!」


坂道付近でプチ女子会が行われていたので、うちはそこに突入する。


清水「あ、来たねあなたちゃん。意外と食べるんだね」


あなた「み、みられてた…って、白福さんも結構食べますネ!!」


白福「だって美味しいもん…」


超可愛い。



月島「あの……」


清水「どうしたの月島?」


月島「いや……僕のタオルが、あなたにとられてたので…」


と、うちの首にかかってるタオルを指さす月島くん。


あ、そういえば借りてたんだっけ。


手を洗った時に拭くものがなかったから、ちょうど近くにいた月島くんのを借りていたんだ。

あなた「すみません!返します!」


月島「うん」


慌ててそのタオルを月島くんに返す。


たしか、月島くんってあまり食べてなかったよね…?


あなた「月島くん」


月島「なに」


あなた「口開けてください」


月島「…?」


小さく開いた彼の口に、小さめの肉を放り込む。



月島「!?」


あなた「美味しいですか?さっき全然食べてなかったから、」


月島「…ばっかじゃないの」



クスクスと笑う月島くん。


その笑顔が可愛くて、うちもつい笑顔になった。









白福「恐るべし天然…!!」


雀田「すごいね…!!」






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