第110話

木葉さん
3,208
2021/04/16 09:35

??「だからって何で俺…?」


赤葦「お願いです」


??「まー…出来なくもないけどさぁ…」


そう言って首の後ろに手を置くのは、木葉さん。


木兎さん以外で頼れるとするなら、多分この人だけだ。




-遡る事10分前-



赤葦京治
赤葦京治
木葉さん
このは
このは
はーい?
赤葦京治
赤葦京治
お願いがあります。2階のベランダまで来ていただけますか?
このは
このは
何で?何かあった?ってかそういえば赤葦まだ帰ってきてなかったね
赤葦京治
赤葦京治
女の子を運んで欲しいんです
このは
このは
それは……誘拐?
赤葦京治
赤葦京治
じゃないです。烏野のマネージャーです。俺が話してたら急に寝ちゃって
このは
このは
あー…なんか烏野にめっちゃ可愛いのがいるって誰かが言ってたな。
俺は気にしてなかったけど
このは
このは
自分で運びなよww
赤葦京治
赤葦京治
やです
このは
このは
何で?
赤葦京治
赤葦京治
恥ずかしいからです







ーーーーーーー



…ということがあった。


木葉さんは渋々了承してくれて、渋々来てくれたのだ。



木葉「この子?運べなくはないけど…初対面の子を運ぶってどうなの?この子傷つかない?初対面の人に担がれるんだよ?嫌じゃない?」


赤葦「うるさ……じゃなくて、お願いします」


木葉「うるさいって言ったよね。うるさいって言おうとしたよこの子」


はぁ、とため息をつきながらも、俺の膝の上で眠る兎和さんを抱き上げた。



少し胸がチクリと痛んだのは、多分、気のせい。



赤葦「木葉さん、お願いします。俺は先に寝てるので」


木葉「ジュース奢ってね」


赤葦「えー……わかりました」



渋々了承し、俺は部屋に戻った。



大丈夫かな。


兎和さんが木葉さんを好きになったらどうしよう。


木葉さん、何もしてないと良いけど。



そんな心配で落ち着かない中、気づけば眠りに落ちていた。








木葉side



木葉「この子…どこまで運べば良いんだ?」


いきなりメールが来て、いきなり運べと言われて。


頼ってくれたものを断るわけにもいかず、今、こんな状況である。


俺が横抱きしている彼女の顔は、噂通り綺麗だった。


うわぁ、肌白い。



……何て思って顔を覗いていたら、パチリと目が開いて。




あなた「……?だれ?」


木葉「あっ…ごめんね。急に寝ちゃったみたいだから、運んでるんだけど、えっと、俺、梟谷の木葉秋紀です。初対面の人に抱き抱えられるって嫌だよね、下ろすからっ、歩けるかな?」


テンパりすぎて、自分でも何言ってるかわからない。


あなた「…あかーしさんは?」


喋り方がやけに子供っぽい。


寝ぼけているのだろうか。


木葉「赤葦はもう寝ちゃったよ。ほら、歩いて」


よいしょ、と地面に下ろすと、彼女はその場にぺたりと座り込んだ。


そしてこちらに手を伸ばして……




あなた「…だっこ」



えぇぇぇ!?何この子!!めちゃくちゃ可愛いんだけど!!


父性本能をくすぐられ、もう一度持ち上げ直して歩き出す。


ってか、明らかに寝ぼけてるな…。



あ、そろそろ女子マネの部屋につくか……と思った時。


丁度、部屋から白福が出てきて。




白福「…木葉。あんた、何してんの」


木葉「あ、これは_________」


白福「女子を夜に連れ出す!?普通!!許さんぞ!!」


と、飛びかかってきた!?!?










……まぁ、事情を話したら許してもらえたんだけど。



俺の代わりに、赤葦が犠牲になっちゃうね☆








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読んでくださりありがとうございました!

何故今回木葉を選んだのかというと……最近、木葉にハマりかけてるからです笑



あなたちゃんは、夜に寝ているところを起こすと子供っぽくなってしまうようです…笑笑

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