第一セット 16対25 白鳥沢の勝利。
ウシワカの左利きに対する対策が出来ておらず,クレバーすぎるブロッカー天童覚が現れボロ負け。
そして,第ニセット_____________
は、月島くんが脅威の成長を見せていた。
ひたすらにボールを触り,「ワンチ!」と叫ぶ。
流石にそれにイライラしてくるか,天童さんもしつこいと思っていることだろう。
月島くんはどんどんワンチを繰り返し、それを誰かがカバーして点を稼いでゆく。
しかし、白鳥沢も取られっぱなしというわけではなく,どんどんアタックを決めてくる。
でも、第一セットでボロ負けだった烏野が点を稼いでいくことに,彼らも少し焦りを感じ始めているだろう。
月島くんは、明らかにチームの人とコミュニケーションを取り始めている。
彼なりの作戦を伝えているのだろう,そのクレバーな彼の考えに皆は乗り,点を稼いでいる。
月島くんは白鳥沢に、絶対に達成感を与えないようにプレイしている。だからワンタッチを繰り返して,アタックの快感を防御しているのだろう。
うちの隣にいる月島くんのお兄ちゃんは、すでに目をうるうるさせている。
顔立ちは似てるけど、あんまり中身は似てないな………(失礼)。
そして、白鳥沢のセッター______________いや、白鳥沢全員に,苛立ちと焦りが生じた時。
セッターである白布さんはボールをトスする。ウシワカが走り出す。
ウシワカが打ったボールを
月島くんが、体の軸を捻じ曲げてブロックした。
『たかが部活。本気でやるから、あとで苦しくなるんだろ』
『僕はいいです』
『皆どんな原動力で動いてんだよ!!』
お兄さんに憧れて失望して,本気でやることが嫌になって。
勝利に絶対にこだわらなかったのに。
月島「っしゃああああああああ!!!!」
_______________…!!
彼のはじめてのガッツポーズをみて、ぽろりと何かが溢れた。
あなた「っしゃ〜……!!」
うちも真似て,ガッツポーズをする。
月島くんが田中先輩やゆうくんに噛みつかれながら、ふとこちらを振り返る。
隣のお兄ちゃんが慌てて隠れた。
うちは、彼に第二セット奪取の『おめでとう』をこめて、思いっきりピースをした。
彼は「何泣いてんの」,とでも言いたげに,べっと小さく舌を出したのだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。