第198話

稲荷崎も可愛いが溢れていた
2,001
2021/08/23 22:00

あなた「今日から本格的にマネージャー業ですね!」



角名「そうだね。頑張れ」







お兄ちゃんみたいに頭をぐりぐりされ、思わず頬が緩む。






角名「……何にやけてんの」



あなた「いえ……うちのまわり、お兄ちゃんお姉ちゃんみたいな人が多いなあって」



角名「キミが妹っぽいからね」



あなた「なんだと」





北「兎和さん、やっときた」



あなた「す、すみません!」





体育館の中で待っていた北さんの元へ走って行くと,北さんは早速説明を始めた。


北「まず、ドリンクなんやけど………って、ジャージ肩からずり落ちとるで」


北さんはこちらに手を伸ばし,優しい手つきでジャージを直してくれる。


落ち着く……北さんは,まるでお母さんみたいだ。


でもこんなに優しい雰囲気なのに,彼はほぼ笑わない。まだ北さんが笑っているのをみたことがない。


どんなふうに笑うのかな。気になるな。








北「……よし。じゃあ説明するわ」




あなた「あっ、ハイ!」










説明後。











北「……一通りはこんな感じや。出来そうか?一人で」



あなた「はいっ、頑張ります」



北「そうか、頼もしいわ」






あれ……?北さん、ちょっと笑った…?




あなた「可愛い!」




北「!!」



 
無表情でビクッとするのもかあいいです……。





あなた「すっ、すみません……北さん、笑うと一気に可愛くなるなって……って、何言ってるんだ」






頭を抱えていると,北さんはキョトンとして,それから目を優しく…若干細めた。


あれ……コレも笑顔…なのかな?






北「そんなん言われると思わんかった」



あなた「ほ、本当に無礼なことを……」



侑「ほんまや。北さんに失礼や」



あなた「ヒッ、逆ナn………侑くん」



侑「逆ナンっつったな。今言ったやんな」






…言ってないヨ。



北「どうしたんや」



侑「すんません北さん,コイツに用があって」



 

う……うちに?


ヤバっ,もしかして昨日のアレまずかったかな。実は知り合いだったりしたのかな。


だとしたら本当に申し訳ない……






治「俺らん家であなたの歓迎会すんねん。来てくれる……よな?」



侑くんの横からひょこっと顔を出した治くん。可愛すぎて息ができない。


考えもせず頭をぶんぶん縦に振ると,双子はパァッと明るい笑顔を見せてくれた。















あなた「………ってことなので,ついてきてください」



角名「むりぃ〜うるさい〜」



あなた「……うち、倫くんがいないとダメだから」



角名「……ほんと?」



あなた「…兵庫ではね」







周りから見れば,うちは結構バレー部の皆と仲良くしているように見えるかもしれない。


でも、実は少し緊張とかもしていて、倫くんほど慣れないでいる。……そう考えたらあの一本の電話だけで倫くんに慣れたのすごいな。






あなた「というわけで,来てください」



角名「俺が考えてることとあんたが考えてること,ちょっと違うだろうけど……分かったよ」








次回,ドタバタ歓迎会。







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