第66話

新しい壁
3,884
2021/03/03 21:56

次の日の昼休み。


今日は、なんだか廊下が騒がしかった。


あなた「…山口くん。なんか騒がしくないですか?」


山口「あー…廊下、見てみて」



そう言われ、うちはひょこっと教室から顔を出した。


そこには………



あなた「あぁっ!」


日向「し、清水先輩っ」


他のクラスから顔を出していた日向くんも驚いているようだ。


何しにきたんだろ…。


潔子さんは背を向けたうちには気づかず、日向くんに近寄っていく。


清水「日向、あのね。一年生で、どの部活にも入っていない子って、分かる?」


日向「…?」



彼女の手には、大量のチラシ。



……あ。分かった。そういうことね。











放課後。



ランニングで派手にどこかへ走っていった影山くんと日向くんがたんこぶを作って帰ってきた。


反省していないようだった。



武田「…えー、例の東京遠征ですが。今のところ、来月の予定です。遠征の場合、親御さんの了承も必要だから、これも後で、書類を配るね」







武田「ただ、来月になったら………期末テストあるの……分かるよね?」



空気がピキッと固まった。



武田「…分かるよね?」



綺麗に並んで体操座りしている影山くん、田中先輩、日向くん、ゆうくんがチラッと視線を逸らす。


あ…成績危ないの、この人達なんだ。



武田「…で、予想はついてるかもしれないけど、赤点の教科があった場合、その補修は週末に行われる。





遠征は、行けないから」



日向「はぅあっ!!」



ダメージを受ける日向くん。


そして2年ズはその場から逃げ出そうとしたが、残念ながら縁下先輩に捕まっている。


日向「あがっ、赤点って、何点ですか!?」


菅原「そっから!?」


山口「影山が息してません!!」


ボケが大渋滞。


うちはつっこまないからな。



月島「赤点はないでしょ」


あなた「さすが。頭いい人が言うことは違うね」


月島「キミ、成績ほぼ僕と一緒でしょ」


あなた「苦手な教科があんまり…」


日向くんはとうとう先生にお願いをし出した。


……あ、ダメだったみたい。



日向「コーチぃ!!」


彼は烏養コーチに走り寄り、勉強を教えてくれないかとせがむ。



烏養「これはあまり言いたくなかったが…






この俺が勉強できるタイプに見えるか」



日向「ぐぉぉっ」


日向くんはがくりと膝から崩れ落ちる。


天使菅原「日向ぁ、そこまで落ち込まなくても多分大丈夫だよ」


日向「俺、小テスト二桁以上の点数、ほとんど取ったことないですけど、大丈夫ですか」


菅原「え」



チーン。(田中&ノヤ)



菅原「おい!お前ら菩薩顔やめろ!!」




「「「「うわああああああん!!!!」」」」



月島「アッハハハハァ⤴︎阿鼻叫喚ww」



澤村「狼狽えるな!テストまでまだ時間はあるんだ。このバカ4人抜きで、烏野のMAXが発揮できるか!!いやできない!!」


田中「嬉しいような、嬉しくないような…」


澤村「やってやる…全員で、東京行ってやる!!」



突如現れた烏野バレー部の壁。


うちらは、…いや、この4人は、超えることができるのでしょうか。

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