??「…何してんの」
誰……?
後ろから聞こえた声に、パッと振り向く。
あなた「あ…英くん…?」
何で、そんなに不機嫌なの…?
彼の細い腕が、うちの腕を引く。
うちはそのまま彼の胸に飛び込んだ。
国見「…うちの幼馴染に何か」
二口「はぁ…幼馴染ねぇ?」
ちょちょ、睨み合わないで!!
これ、菅原先輩と月島くんもやってたよね…?
二口先輩は、うちの右手をぎゅっと握る。
国見「…何ですか」
二口「幼馴染って、恋愛に発展しづらいらしーよ」
国見「だからなんですか」
あなた「2人、何の話をしてるの____」
国見&二口「「うるさい」」
あなた「すみません…?」
いや、何でうちが謝るの!!
英くんの抱き締める力が強くなる。
あなた「…////」
二口「顔赤くない?」
あなた「だ、だって、ドキドキする…」
二口「…腹立つなぁ」
二口くんは強引にうちの顎を掴む。
あなた「むぅっ…!?」
整った顔が近づいて、全身の温度が高くなった。
二口「今日初めて会った奴とずっと一緒に居る奴、どっちがいい?」
あなた「ふぇ、…?」
二口「…初めて会った奴って言うんなら、意地でも惚れさせてみせるけど」
国見「…ずっと一緒にいる奴がいいって言って、あなた」
ええっ…。
どういうこと!?
もう分かんないよ!!
その時…
月島「あの、すみません…兎和さん、先生が呼んでますよ?」
他人行儀にうちの名前を呼ぶ月島くん。
月島「あと…公共の場でこういうのは、良くないかと」
笑顔貼り付けてんなぁ…。
ってか、先生が呼んでるって言った?
あなた「やばっ、早く行かなきゃ怒られちゃう…!」
英くんと二口先輩から離れて、先生のいる方向へ走り出す。
一度だけ振り返り、置いてけぼりの2人に叫んだ。
あなた「うち、どっちもめっちゃ好き!だから喧嘩しないでね!」
あなた「先生、どうしましたか?」
武田「いや…え?呼んでないですよ?」
あなた「え?でも月島くんが…」
あなた&武田「「…え?」」
混乱するうちらなのでした。
その頃取り残された2人は。
二口「…お前アレにずっと付き合ってきたの?」
国見「…はい」
二口「鈍感にも程があるよね…お疲れ様」
国見「…はい」
変に意気投合する2人なのでした。
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読んでくださりありがとうございました!
この前リクエストで「くにみんとにろちゃんの取り合い書いて欲しい!」ってのがあったので書いてみました!
どうですか…?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。