あなたside
あなた「ただいまー」
母「おかえりあなた。ご飯できてるわよ」
父「あなたの好きなパスタだぞ!母さんと頑張って作ったんだ」
母「あら、さっき麺落として量が減ったのは誰のせい?」
父「それはごめんって」
いつも喧嘩ばかりのお母さんたちが、今日はすごく仲が良い。
嬉しくなって、うちもつい笑顔になる。
あなた「パスタ早く食べたい!カバン置いてくるー!」
そう言いながら、ドタドタと2階に上がり、自分の部屋に入る。
カバンをベッドの上に置き、そこでようやく気づいた。
うちの机の上に置いてある、一冊の本。
表紙を見てみれば、それは恋愛小説のようだった。
『1%の恋人』
そういう題名の本。
読んで良いのかもわからず、それを持ってリビングに戻る。
あなた「あ、お父さん。この本…」
父「あぁ、それは…」
母「私達が一緒に選んだの。あなた、全然恋愛に興味なさそうだから」
父「母さんいわく、青春は楽しんだもの勝ちだそうだ」
どこに気を回してるの、2人とも。
母「それの物語の結末は、私も読んでないから分からないわ」
へぇ…。
表紙の男女のイラストは、お互いを愛おしそうに見つめ合っている。
きっと、ハッピーエンド、だろうな。
うちは、誰とハッピーエンドを迎えるんだろう?
そんな疑問が浮かんで、次に思い浮かんだ人の顔は______________。
ないないっ!
想像できないし!!
母「ほら、早く食べなさい!パパがデザートにシュークリーム買ってくれとるけん!」
あなた「本当!?やったー!」
ニコニコしながらパスタを頬張るうちを、2人は微笑ましく眺めていた。
なんだろう、今日は2人とも、喧嘩をしない。
変な、胸騒ぎがする____________。
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読んでくださりありがとうございました😊
これまたハニワの曲を参考にしました笑。
今日はツッキーの気持ちと今回のお話2本だします!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。