??「あなたが兎和あなたちゃん?」
みんなのバレーをステージに座って見学していたら、誰かに話しかけられた。
女性の声…?
あなた「は、はい、そうです…けど!?」
うちの隣にいたのは、とんでもない美人さん。
何か神々しい…………女神様みたい!
??「男子バレー部のマネージャーをやってる、清水潔子です。よろしくね」
あなた「ふぁい、よろしくお願いします…」
彼女はうちの隣にしゃがみ込んで、スパイクを打つ彼らを見守っていた。
なんて絵になるんだろう…。
清水「あなたちゃん、バレー、好き?」
あなた「ば、バレーですか?はい、大好きです!ルールとかはあまり詳しくないけど…」
清水「…そ、良かった」
ふわりと微笑む清水先輩。め、女神だ…。
清水「烏野はね、もとは強豪だったの。でも、今の名は………
『堕ちた強豪 飛べない烏』」
あなた「堕ちた強豪…」
清水「そう。だから、彼らをもう一度全国へ向かわせるために、私たちマネージャーは、彼らを支えて
いかなきゃならないの。
あなたちゃんは、それができる?」
支える…………この人達を。
清水「君は、マネージャーという仕事を全うする自信はある?」
清水先輩の綺麗な目は、うちの顔をしっかりと捉えていた。
うちの、答えは……………
あなた「はい、あります」
これ一択。
あなた「彼らと成長していきたい、です。何があっても、みんなを絶対に支えてみせます」
清水「…………」
あなた「彼らのバレーボール、もっと見たいって思います」
自分のものとは思えないほど、真っ直ぐな声だった。
あの、ボールを触っているときの顔。
笑顔だ。
ヘラヘラしていない、『楽しいよ』っていう、真剣な笑顔。
このメンバーで、上を目指したいって。
そう思った。
清水「…ふふっ、素敵な子ね。あなたちゃん、これからよろしくね」
彼女は、満面の笑みを浮かべてこちらを見た。
あなた「っ………はい!」
うちも、満面の笑みで笑い返した。
ノヤッさん「うおおおおおおっ!!!潔子さんが笑っているぞオオオオオオオオ!!
俺、何かやる気出てきた!」
田中「あの潔子さんを笑顔にさせるとは、あなた、何奴っ!!」
田中&ノヤ「め、女神と天使が笑い合っている…素晴らしいこの世界」
女神…は清水先輩だよね。天使………って、うち!?
あなた「う、うち、天使!?どこが!?」
清水「あははっ!あなたちゃんは充分可愛いよ」
あなた「いやいやっ、清水先輩自分の顔見たことあります!?めっちゃ美しいですよ!!
天使と女神のハーフみたいな!みたいな!」
清水「君、本当面白いっ(笑)」
清水先輩は笑いが止まらないとでも言うようにお腹を押さえて笑っている。
あなた「あの、大丈夫ですか…?」
清水「ああ、ごめんね。明日、マネージャーの仕事について教えるから。今日は私の行動を見てて」
清水先輩は、またふわっと妖艶に微笑んだ。
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田中&ノヤ「今日も世界は平和だ…」
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潔子さん、尊いですね☺️
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。