第167話

臨時マネージャー
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2021/07/24 22:00

母「あら、おかえり。もう、やっぱりまた英くんの服着ちゃって」


父「ちょっと申し訳ないなぁ」


あなた「ふふ、今日は英くんのお姉ちゃんも居たんだよ!」


母「あら、そうなの。久しぶりに顔でも見たいねぇ。あ、そういえばね、この前アキから電話があったんだけど」


『アキ』というのはお母さんの妹の名前。兵庫に住んでいるらしいが,うちは兵庫に行ったことがない。今までアキさんからこっちに来てくれてたからだ。



あなた「アキさんがどうしたの?」


母「明日の決勝が終わったら,兵庫に来ないかって。アキが高校の先生やってるのは知ってるでしょ?あなたがあまりにも真剣にマネージャーやってるって言ったら,バレー部の臨時マネージャーやってくれないかって」



り、臨時マネージャー……!!!



そのちょっとカッコいい言葉に目をキラキラと輝かせると,お母さんはクスリと笑った。


母「1ヶ月も取っちゃうから、授業は向こうで受けさせてくれるらしいけど。…どうする?やってみる?」


あなた「うん!やる!」


父「そうか、良かった」


母「引っ込み思案が出るかと思ったら」



引っ込み思案……ねぇ。



いつからなくなったんだっけ。そういうの。


やっぱりまだ人と話すのが怖いところはあるけど。




………バレー部と出会って、変わったんだろうな。





あなた「ねぇ、なんていう高校?」


父「えーと確か……













『稲荷崎高校』だな」







いな、いなりざき……?





うーん、どっかで聞いたことあるような………?









母「ほら、もう寝たほうがいいんじゃない?明日は決勝でしょ?」


あなた「あっ、うん。じゃあ、おやすみ……」



うわぁ、臨時マネージャーなんて、ワクワクするなぁ。



でもその前に,決勝戦だ。




春高に行くためには、白鳥沢に勝たなければならない。




その緊張と期待で、ドキドキが止まらない。






その日は,あまり寝付けなかった。

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