東京遠征3日目。
次の日、起きたらそこはうちらマネージャーの部屋だった。
誰かが、運んでくれたのかな…お礼言わなきゃな。
そう思いながら、日焼け防止の長袖のジャージを着て外に出る。
食堂では、ご飯を食べるために殆どの学校の人が集まっていた。
白福「あ、あなたちゃんおはー。一緒にご飯よそおー!」
あなた「おはようございます!やります!」
ペナルティの坂道ダッシュ。
皆、そのキツすぎるペナルティにバテつつあるようだ。
ペナルティを終えた皆にマネージャー3人でドリンクを配る。
あなた「お疲れ様です」
影山「あざす。なぁ、タオルあるか?」
あなた「ありますよ。はい」
影山「…なんか、今日のやついい匂いがする」
あなた「タオルですか?」
日向「ホントだ!めっちゃ好きこれ!!」
あなた「良かったです。その香り、気分がサッパリするのでオススメですよ。あと、リラックス効果もあるので、試合中とかの場合緊張も少しだけ和らぐと思います」
谷地「本当だ…すごくいい匂い。あなたちゃんが洗濯したの?」
あなた「うん。最近ある男の子(国見)に教えてもらったから、試してみたの」
清水「へぇ〜、すごい。でも私はあなたちゃんの匂いも好きかな」
あなた「へ、うちの、?」
清水「うん。落ち着く。女の子だーって感じ」
ポニーテールから落ちた髪の毛をスッとかきあげる潔子さんから、ふわりと花の香りがした。
あなた「潔子さんもですね。仁花ちゃんは…」
谷地「へっ、私はいいよっ!ぎゃっ!」
仁花ちゃんをぎゅっと抱きしめると、なんだか可愛らしい、甘い匂いがした。
あなた「仁花ちゃんは優しい匂いだね。このまま寝たい」
谷地「まだ練習あってるよ!?」
オタオタと落ち着かない仁花ちゃん。
そして、その隣では……相変わらずそっぽを向いた、影山くんと日向くん。
まだ仲直りはしていないようだ。
日向くんと影山くん。
月島くんと山口くん。
こんがらがった糸は、いつになったら解けるのかな___________。
〜試合割愛〜
最近、段々と皆変わってきている気がする。
ぼろぼろだった点差も縮まってきているし、ミスもだいぶ減ってきている。
しかし……日向くんと影山くんの速攻は、やはりうまく行かない。
ほらまた、仁花ちゃんの隣をボールが通った。
この合宿中に、新しい速攻を決めることはできるのでだろうか_________。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。