第146話

代表決定戦
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2021/06/03 22:00

家に帰ってきたときはすごく驚かれた。


まぁ、娘が真っ赤に目を腫らして戻ってきたんだから、そりゃそうか。


その小さな騒ぎにゆうちゃんも気づいて、駆け寄ってきてくれた。





『俺、あなたのこと大好きだよ。めっちゃ好き』





その言葉がループして、夜はあんまり寝れなかった。












それから、何日かが経った。



菅原先輩は、あの夜のことがなかったかのように普通に接してくる。


夢でも見ていたのかと心配になっちゃったけど。













日向「うおおおおおお!!!来たぁ!仙台市体育館再び…!!」



いつのまにか、もう代表決定戦。


時間が経つのは早いなぁ。



日向「絶対、リベンジ!!」



あのとき、青城に負けてしまった日。


あれはもう、忘れられない日となった。


青城に勝つ。他の高校にも勝つ。


そして、春高にこのメンバーで、いくんだ。


皆もその気持ちは同じ。



日向くんはやる気まんまんで走っていき、影山くんは「走る必要ねーわボゲェ!!」と追いかけていく。


そしてそれを呆れて眺めるうちら。


山口「日向と影山は脊髄反射で生きてる感じだねー」


月島「虫みたい」


西谷&田中「「ブッフフフw」」


あなた「ちょっと……捕まえてきます」


旭「あ、あなたちゃんの戦慄モード」


あなた「こらーっ!待ちな___________」





待って、日向くん、君が今ぶつかった人って……!!




照島「あれっ、ってことは_______!!」


照島さん(ネットで調べたら出てきた)日向くんを押し除け、潔子さんに向けて「眼鏡ちゃーん!」とぶんぶんと手を振る。


照島「今日こそ番号教えてねーっ!」



懲りてないっ……!!!



その言葉に、ゆうくんと田中先輩は痺れを切らしたようだ。


敵対心剥き出しに、金髪に向かって走ってくる。


澤村「あっ、コラ!」



そして照島さんの目の前で飛び上がったとき_____________2人の前に女の人が現れ、ペコリと頭を下げた。



??「もーっ!やめなさいっ!あの、すすすすみませんでした!」



そのきゃるるんとした可愛い目の女の人に、2人は空中で静止。


そのままなぜか動かなかった。



山口「あ、止まった」


月島「空中で固まってるスッゲーw」



照島「ねね、そこの可愛い子」


あ、明らかにうちに話しかけてるよね……?可愛くないけど。


照島「あのs_________っいででで!!」


??「ほら、行くよ!!」


照島さんは、女の人に引っ張られながら歩いていく。


そして、一度こちらを振り返り。




照島「一回戦、よろしくぅ」




それだけ言って去っていった。




あなた「いっ……かいせん…?」



ポケットからプリントを取り出して、バッと広げると。




烏野は、一回戦目は条善寺と当たるのであった。





二口「おっ、烏野じゃーん」


あなた「げっ」


二口「げとはなんだコラ。烏野ってさ、インハイ予選ベスト4のとこと当たるんでしょ〜?せいぜい頑張れよって」


あなた「そっちこそ負けないでくださいね」




二口「もし伊達高とあたってさ、俺らが勝ったら付き合ってよ」


あなた「おっ、賭けですか_________ってはい?」



二口「え?聞こえなかった?」




聞こえましたとも。すっごく聞こえましたとも。


聞き間違いかを確認したのですが、聞き間違いないようですね。





あなた「ぜっっったい嫌ですから!!」




その声は、体育館へと去ってゆく彼には聞こえなかったようだ。








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