家に帰ってきたときはすごく驚かれた。
まぁ、娘が真っ赤に目を腫らして戻ってきたんだから、そりゃそうか。
その小さな騒ぎにゆうちゃんも気づいて、駆け寄ってきてくれた。
『俺、あなたのこと大好きだよ。めっちゃ好き』
その言葉がループして、夜はあんまり寝れなかった。
それから、何日かが経った。
菅原先輩は、あの夜のことがなかったかのように普通に接してくる。
夢でも見ていたのかと心配になっちゃったけど。
日向「うおおおおおお!!!来たぁ!仙台市体育館再び…!!」
いつのまにか、もう代表決定戦。
時間が経つのは早いなぁ。
日向「絶対、リベンジ!!」
あのとき、青城に負けてしまった日。
あれはもう、忘れられない日となった。
青城に勝つ。他の高校にも勝つ。
そして、春高にこのメンバーで、いくんだ。
皆もその気持ちは同じ。
日向くんはやる気まんまんで走っていき、影山くんは「走る必要ねーわボゲェ!!」と追いかけていく。
そしてそれを呆れて眺めるうちら。
山口「日向と影山は脊髄反射で生きてる感じだねー」
月島「虫みたい」
西谷&田中「「ブッフフフw」」
あなた「ちょっと……捕まえてきます」
旭「あ、あなたちゃんの戦慄モード」
あなた「こらーっ!待ちな___________」
待って、日向くん、君が今ぶつかった人って……!!
照島「あれっ、ってことは_______!!」
照島さん(ネットで調べたら出てきた)日向くんを押し除け、潔子さんに向けて「眼鏡ちゃーん!」とぶんぶんと手を振る。
照島「今日こそ番号教えてねーっ!」
懲りてないっ……!!!
その言葉に、ゆうくんと田中先輩は痺れを切らしたようだ。
敵対心剥き出しに、金髪に向かって走ってくる。
澤村「あっ、コラ!」
そして照島さんの目の前で飛び上がったとき_____________2人の前に女の人が現れ、ペコリと頭を下げた。
??「もーっ!やめなさいっ!あの、すすすすみませんでした!」
そのきゃるるんとした可愛い目の女の人に、2人は空中で静止。
そのままなぜか動かなかった。
山口「あ、止まった」
月島「空中で固まってるスッゲーw」
照島「ねね、そこの可愛い子」
あ、明らかにうちに話しかけてるよね……?可愛くないけど。
照島「あのs_________っいででで!!」
??「ほら、行くよ!!」
照島さんは、女の人に引っ張られながら歩いていく。
そして、一度こちらを振り返り。
照島「一回戦、よろしくぅ」
それだけ言って去っていった。
あなた「いっ……かいせん…?」
ポケットからプリントを取り出して、バッと広げると。
烏野は、一回戦目は条善寺と当たるのであった。
二口「おっ、烏野じゃーん」
あなた「げっ」
二口「げとはなんだコラ。烏野ってさ、インハイ予選ベスト4のとこと当たるんでしょ〜?せいぜい頑張れよって」
あなた「そっちこそ負けないでくださいね」
二口「もし伊達高とあたってさ、俺らが勝ったら付き合ってよ」
あなた「おっ、賭けですか_________ってはい?」
二口「え?聞こえなかった?」
聞こえましたとも。すっごく聞こえましたとも。
聞き間違いかを確認したのですが、聞き間違いないようですね。
あなた「ぜっっったい嫌ですから!!」
その声は、体育館へと去ってゆく彼には聞こえなかったようだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。