俺、上杉和典は米花町に来ていた
といっても集合時間の2時間前
少しでも毛利小五郎について情報を集めようとして
ここに来た
少し先にあなたの姿が見えた
"なんで、ここにあなたがいるんだ?"
話し掛けようとするとあなたは
悲しいような寂しいような表情をしていて
思わず俺は話し掛けるのをやめた
するとあなたは何かを決意したようにチャイムを鳴らしていた
工藤新一?東の高校生探偵の工藤新一か?
あなたは工藤新一がいない事を知るとすごく悲しそうな顔をして
しばらくの間ずっと立って
俺達には見せたことない
"何かを思い出す"そんな顔をしていた
なんで、そんな顔をするんだ?
工藤新一の事が好きなのか?
なぁあなた覚えてないと思うけど、俺達
一度きりだけど昔
会ったことあるんだよ
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!