第3話

私は···
26
2020/04/03 01:35
冷え切った拓也をベットに捨てると、先生が「いつも大変ね。」と温かいお茶をそっと差し出す。
「本当に大変ですよ。拓也は毎回無茶をするので。」 
「あら、まあ···」
ニコニコと先生は笑うけれど、実際大変なのだ。何言っても聞かない。何をしても止まらない。倒れた後に回収してくれる人は、私以外いないときたものだ。
別に嫌味で言ってるわけではない。
ただ、もし私が居なかったらどうするんだ。
···体を壊したら、どうするんだ。
そう思うと、私は心配なんだ。
すると先生は、じっと私を見つめて
「そうね。貴方だから余計に心配よね。」
ぐっと、湯呑に伸ばした手を握り締め、私は努めて平静な表情を作る。
「はい。そうですね。」
「···ねぇ、やっぱり貴方も部活に入ったらどう?もう、大丈夫なんでしょう?」
「·········。」
「そう。まあ、貴方も無理はしない方がいいわね。でも、いつまでもこのままでは良くないってことは分かってるでしょ?」
重い頭で、私は無言で頷く。
「分かっているなら、良いのよ。」
先生はそう言うと、もう遅いから帰りなさいと濡れた為ストーブの前で干していた私のコートを渡して、片付けを始めた。
暗い校舎を歩き、ふと掲示板が目にとまる。そこにある張り紙を見て、どうしようもなく胸が痛くなる。何かに追い立てられるかのように、私は走った。










_____私は、どうしたいんだろう。

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