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第2話

体育祭
第2話 体育祭

弥生が学校生活にも慣れ、A組B組の生徒と打ち解けてきた頃。

「雄英体育祭だ」

「「「「学校っぽいのきたぁぁぁぁあ!」」」」」

みんなが盛り上がる中で弥生は1人ふて腐れた顔で話を聞いていた。気になった八百万が声をかけると、

「私は体育祭出ちゃダメって相澤先生が言ったの」

そういう事らしい。

「それは残念ですわね・・・・・何故でしょうか」

「・・・・じきに分かるよ・・・・・ヤ、ヤオモモ」

何故かヤオモモと呼ぶとき照れた様子をみせる弥生だった。ちなみに照れている様子が可愛いと男子には評判だ。

「体育祭かぁ」

「・・・・・・絶対勝つ」

隣の轟がボソッと呟く。弥生は小さく眉をひそめた。


「俺は赤色が嫌いだ。でも星空の赤なら好きだ。綺麗で、切ない美しさ」

「轟さんの赤の方が好き。私は自分の赤は嫌い」

「綺麗なのに。勿体無いことするんだな」


仕事が出来た。重要な仕事だ。


体育祭当日

「緊張する・・・・・・」

「みんな頑張ってね」

「弥生ちゃんも応援よろしく!」

「────出たかったな」

今年はオールマイトが一年をみているとかで一年のステージはとても盛り上がっていた。
弥生は放送席で相澤とマイクと一緒に見学だ。

「弥生ちゃん可愛いうえに超強いんだって⁉本気出さなくても今の一年じゃみんなヤられるから体育祭に出れないんだってYO!」

「うるさいぞマイク。世の中のゴミ」

気にしていたことをグリグリ掘り返すマイクに、弥生はマイクを放送席から突き落とすべきかどうか激しく迷った。

「よく見ておけ」

「はい」

最初は何も感じなかった。ただ、同じクラスの人達が上位にいたから嬉しかった。・・・・・・轟さんの表情は気になったけれど。でも一対一で闘うみんなのその姿は。

「凄い・・・!」

夢中になって応援した。

『君の力じゃないか!』

『全力でかかってこい!』

何で

(何で泣いてるんだろう、私)

轟さんが兄に重なった。容姿は似ていても性格は似てもつかなかった。それなのに。

(今の私には轟さんはお兄ちゃんにしかみえない)

これは成長なの?それとも未練がましいただのわがまま?

包み込むような笑顔
冷たい無表情
優しい言葉
冷酷な言葉
どこをとったって
(私は)
何で
(もう忘れたはずなのに)
全然
(似てないのに)
お兄ちゃんなんて
(大嫌いなはずなのに!)
それなのに
『弥生は本当に優しいんだね』
何で今更
(私の心をかき乱すの!?)
涙が溢れて止まらなかった

誰かに
救けて
欲しくて


任務ができた。至急戻ってこい。


体育祭以来轟さんの表情はお兄ちゃんに近づいた気がする。爆豪さんは前より機嫌が悪くなったような気がする。緑谷さん・・・・とっても優しいクラスメイトは少し自信がついた気がする。高校生になってようやく笑顔になれた気がする。全てがうまくいくような、そんな錯覚を覚えてしまった寂しいあかつき

「もう一度見せてくれ」

「嫌」

「頼む。見たいんだ」

「・・・ちょっとだけだからね」

弥生の髪と瞳が見事な赤に染まる。

「やっぱり。綺麗だ。瞳も」

そっと手を伸ばしてつとやめた。

「・・・・嫌なの。赤。大切なもの全部とってくの」