第3話
束の間の休息
第3話 束の間の休息
「ヒーロー基礎学に私が来たぁ!」
ポーズを決めるオールマイト。
「今日は新入りさんもいるようだね!HAHAHA !よろしく!」
弥生はさっと近くにいた轟の影に隠れた。
「HAHAHAHA!恥ずかしがりやなのかな!?」
みんなが一斉に思った。
(((オールマイトォ!焦らないで!)))
轟が声をかける。
「オールマイト好きじゃないのか?」
「普通かな・・・・・。嫌いではないんだけど」
「そうか」
「今日はみんなに星空少女の"個性"を当ててもらおう!」
訓練の内容は、運動場γの建物のどこかにオールマイトがいるので救出しよう!という感じだ。
「瀬呂少年、爆豪少年、耳朗少女、星空少女の4人で対決だ!」
全員が横一列に並ぶ。
「用意、ドン!」
機械の合図に瀬呂、爆豪、耳朗が一斉に走り出す。
「弥生ちゃん行かないの?」
スタートの位置から動かない弥生に何人かが声をかけた。
「そういう"個性"?」
(気配的にこっちの方向ね。・・・・近いわ)
弥生が軽く力を込めると髪と瞳が緑色に変化した。新緑色ともエメラルドグリーンともとれる美しい色だ。衝撃波で風が吹く。
「うわぁ!色が変わった!」
「綺麗な色・・・・・」
(赤の方が好きだな。俺は)
ふわりと飛んで移動している。皆の目にはそういう風に見えた。
弥生が1着だった。爆豪はひどく不機嫌になる。新入りの女子に抜かされたのが悔しくて堪らなかったからだ。同時に皆が弥生の実力を悟る。
「星空少女凄いじゃないか!」
またも轟の影に隠れる弥生。
「さぁ、星空少女の"個性"が分かった人はいるかな?」
「は~い!」
「芦戸少女」
「浮遊能力!」
「残念ながら違うんだな!」
「はい!」
「緑谷少年」
「身体能力の上昇?」
「正解!よく分かったね!星空少女の"個性"は身体能力の上昇で、最大約200倍程度らしいぞ!欠点らしい欠点もなし!単純な"個性"だからね!」
「髪と瞳の色が変わったのは何でですか~?」
「倍率によって髪と瞳の色が変わるんだそうだ。仕組みとか法則は特にないそうだよ。ちなみにさっきのは何倍だったのかな?」
「20倍程度です」
「・・・赤は?」
「50倍程度かな」
「そうか。もう一度見たい。放課後見せてくれ」
「ごめん・・・・用事があるの。また今度」
ヒーロー殺しが街に出たらしい