*なにわ男子ファーストツアー記念小説
キラキラと輝く衣装を着てライトで照らされるステージに立つ謙杜を初めて見た。
3階の最前列、階段横の端の席。
私は決して近いわけじゃない座席で黄色いペンライトを振っていた。
「おーい!」って私の方に向かって大きく手を振る謙杜に、会場の視線が私がいる辺りに集中する。
私がその"いとこ"ってバレないように、私も周りの人と同じようにキョロキョロと周りを見回した。
謙杜がマイクを通して言うから、"キョロキョロしてる=いとこではない"が成立しなくなって、慌てて周りを見るのを辞めた。
私は流星くんの言葉に大きく頷く。
呑気に手を振りながら私信を堂々とマイクを通して言ってのける謙杜。
こんなちょっとしたことでさえ、私は"いとこ"以上には慣れないことを実感する。
謙杜は少し歳の離れたいとこで、
私がずっと好きだった "初恋の人"。
だけど、きっと。
・・・ううん。絶対に。
謙杜は私を"いとこ"としか見てないから、
今日だって私がどこにいるかファンの子にバレても大丈夫だと思ったんだって、そう確信した。
ステージに立つ謙杜はいつも家で見る謙杜と違って、いつもよりキラキラで、かっこよくて・・・
なんか遠い存在みたいに感じた。
あっという間に時間はすぎてアンコール。
周りの人が後ろを見ているから、私も後ろを見た。
その瞬間だった。
大きな歓声と共に登場するなにわ男子のメンバーさん。
流星くんと恭平くん。
それから・・・
ミニオンの被り物を被って現れた謙杜。
通路を歩きながらもずっとこっちを見ている気がして、ずっと目が合ってる気がして。
なんだか恥ずかしくて、隣の恭平くんを見た。
一瞬、謙杜から目を離したすきに、謙杜が私の席の横の階段を降りて来て目の前に現れる。
私の横に立って笑顔でそう囁きながら、周りの子とハイタッチしていく。
恥ずかしくなったなんて言えなくて下を向く私に、余裕そうな謙杜は、
そう言って、私の頭をポンポンって撫でると階段を上がっていった。
周りからは「いいな」とか「やばい」とか、長尾担の子がファンサもらったことを羨むような声があがっていて、私は恥ずかしくて顔を上げられなかった。
ー帰宅後ー
リビングのソファで、私の親と仲良さそうに話していた謙杜がこっちを見てニコって笑った。
昔からよく遊びに来ている私の家は、もうどこに何があるかなんて把握済で、謙杜は私より先に私の部屋に向かった。
なんだか遠い存在になった謙杜を受け入れたくなくて、自然と言葉が詰まる。
突然感じるぬくもり。
謙杜が私を抱きしめてるって気づくのに時間なんてかからなかった。
これ以上抱きしめられたら心臓の音が聞こえてしまいそうで、そっと肩を押すけど、謙杜の腕の力はより強くなる。
突然放たれた謙杜の言葉に頭も心も理解が追いつかない。
ニコって笑って言う謙杜に、また心が奪われていく。
ドヤ顔で私に言う謙杜。
謙杜はもう一度私をぎゅーって抱きしめた。
そう言って、謙杜は私にキスをした。
再び触れる唇。
今度は唇に噛み付くような甘く激しいキス。
fin.
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なにわ男子ファーストツアー記念♡
リクエスト溜まってるのにすみません💦
現場入ったら思いついちゃったので帰り道に書きました・・・すみません💦
クリスマスイヴに現場入れたので、
なにわの推し長尾くんの小説を書いちゃいましたw
自己紹介ラップのセリフで
「今年の誕生日は君がいいな」って
なんともまぁかわいいことを言ってたので、
それらしいことも含めつつ・・・w
ちなみに現場でファンサ頂きましたが、
主人公ちゃんの席ではないので、
もし該当席の方居たら勝手に座席使ってごめんなさい🙏
(※この物語はフィクションですw)
みなさん感想くれたら嬉しいです♪
リクエストもそろそろ再開予定!
お楽しみに♪
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。