誰もが1度はなりたいと願う"アイドルの彼女"だった私は、
君にとって少しは"いい女"でいれたかな・・・?
ー5年前
樹に悪い所なんて、ひとつもない。
若かった私は、大好きな樹と付き合ってることを周りに言えないことも、樹が他の女の子に愛想を振りまくのも、全部が辛かった。
だから、樹から離れることを選んだ。
別れてから、SixTONESとしてデビューまでこぎつけた樹は、テレビで見ることも多くなった。
今だってバラエティ番組で"女性をどうやって誘うか?"ってことを話してて、そんな風になるまで樹が人気になったことが嬉しくもあり、ちょっとだけ悲しくもある。
・・・って、なに言ってんだ、私。
樹の語る"女性を誘う方法"が、数年前のあの日と同じで、なんだか切なくなってテレビを消した。
自分で別れを選んだはずなのに、私はまだ樹のことが忘れられなかったんだ。
"テレビの中の人"になってしまった、
もう手の届かない元カレに、私は恋をしていた。
ーピコンッ(LINEの音)
" 田中樹 "
LINEが届いたことを告げたスマホには、大好きな人の名前が表示されていた。
急いでLINEを開くと、"今、話せる?"って一言。
それだけで舞い上がって、すぐに返事をした。
浮かれてトーンが上がってしまいそうな声を抑えながら、私は冷静を装う。
"すげー元気だよ"って言いながら、テレビの中と同じ樹の笑い声がスマホから聞こえた。
ふーって深呼吸して樹が呟いた言葉は、ずっと求めてた言葉。
髪やメイクを直して、すぐに家を飛び出した。
家から3分もかからない公園にいる樹に、1秒でも早く会いたかったんだ。
そう言って公園のベンチの方へと歩き出す樹の後に着いていった。
本当は大好きな樹がデビューすることを待ち望んでたなんて言えなかった。
照れたように頭をかきながら、樹が私の方を向いて座り直す。
照れた時の癖も、話し方も、なにも変わってなくてあの時のままで。隣にいるだけで幸せで。
ーーなんだか昔に戻った気分だった。
嬉しくて、幸せで、声を出すことすら忘れた私。
その反応で樹は勘違いしたみたいで、「もう別の彼氏いるよな・・・」って下を向いて寂しそうに呟いた。
急に抱きついた私に驚いたのか、心配そうな声で問いかける。
その声にも私の心臓は大きく鳴るんだ。
私を抱き締め返した樹の腕は少し震えてた。
そうやって即座に突っ込んで、笑って。
樹が昔のままで、落ち着く。
ギュッて私を抱きしめる樹。
嬉しくて、そっと樹の背中に腕を回した。
一度身体が離れると、どちらからともなくキスをした。
少し遠回りしたけど、今度はきっと、
君にふさわしい "いい女" になってみせるよ。
fin
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黒髪ラッパーちゃん.さんリクエスト、
田中樹くん小説でした★
お待たせしてごめんなさい🙏
終わり方、微妙だった😭
テレビでの発言を見て思いついちゃったので
こんなシチュエーションにしてみました!
絶対にあれは実体験だろ🤔(やめろ)
みなさん感想やいいねくれたら嬉しいです♪
お待ちしてます!
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プロフィールからどうぞ✈
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。