私が問題を解いている間、本を読んでいた先生は顔を上げて私を見た。
テストで赤点を出した私は、2週間毎日、放課後に居残りで補習をすることになった。
だけど、補習なんか興味無い私は、机に肘をついて阿部先生に勉強以外の質問を投げかける。
困ったように笑いながら頭をかく先生。
こんなに先生に必死に聞くのは、密かに先生に恋をしているから。
先生だっていい歳だし、好きな人の1人や2人いるって分かってはいたけど、先生の口から聞くとやっぱりショックで、私は持っていたペンを机に置いた。
こうなったらとことん落ち込んで先生を忘れようって思って、私は恋愛系の質問を続けた。
「明日はちゃんと勉強してよー」って言いながら、持っていた本と、私の前に出していた教科書をパタリと閉じて、先生は笑った。
切なそうに言うけど、なんだか幸せそうに語る先生を見ていると、その人を本当に好きなんだって伝わってくる。
先生に幸せになって欲しくて、そう言ったはずなのに、
その一言で、「先生が好き」「告白したい」って心が騒ぎだした。
どうせ自分なんか先生の"好きな人"に適うわけないのに、先生に告白をした。
ただ、「好き」ってことを伝えたかった。
先生はそれだけ呟いて、困った顔をしている。
私が大好きな笑顔でそう言ってくれるけど、やっぱり困ってるのが伝わってくる。
自然と涙が溢れてきて、視界がかすむ。
先生が困るから泣きたくないのに、涙が止まらない。
「困る」って呟いた先生は、私を抱きしめていた。
嘘みたいな先生の告白に、私は言葉を失った。
まるで夢をみているような気分。
私は先生を困らせたいわけじゃないのに、先生はまた困った顔。
先生は私の頭に手を置いてそう言うと、かがんで微笑んで、こう続けた。
それから1年間、私と先生は約束通り、今までみたいに"先生と生徒"の関係で、何も変わらない。
ただ、ひとつだけ。
先生に提出するノートにだけ、こっそりと愛を記している。
fin.
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ワカトシ .さんリクエスト、阿部亮平くん小説でした★
お待たせしてごめんなさい🙏
先生と生徒の恋でリクエストいただきました🌷
イメージはもちろん、あべちゃん先生!
なんか自分の"好き"って気持ち抑えて、
ちゃんとあなたちゃんのことも考えて
卒業後の交際を提案してくれそうだなって思って
こんなストーリーにしてみました★
みなさん感想やいいねくれたら嬉しいです♪
お待ちしてます!
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プロフィールからどうぞ✈
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。