私の彼氏の駿佑は、アイドル。
最近活躍の場を広げて、今まで以上に忙しくなっている。
だから付き合ってるって言っても、こうして毎日他愛もない話を電話でするくらいで、なかなか会うことが出来ていない。
スマホから聞こえる駿佑の声は優しくて、大好きで。
だけど、時々切なくなる。
アイドルをしてる駿佑との恋は、普通の恋じゃないことくらい分かってた。
一緒に外も歩けないし、友達カップルみたいにSNSで写真もアップ出来ない。
それでも付き合いたいって、そう願ったはずなのに・・・
なんでこんなに寂しいんだろう・・・ー。
泣いてることに気づかれたくなくて、必死にこらえてたのに、駿佑はまるで見えてるみたいに言い当てて、心配そうに問いかけた。
堪えようと思えば思うほど、溢れてくる涙。
こんなの私のワガママでしかなくて、駿佑だって困るはず。
駿佑の苦しそうなその言葉の後に、通話は突然切れて、スマホから寂しい機械音だけが響いた。
駿佑は仕事で会えないのに、私のわがままで泣いてしまうなんて最低だ。
静かになった部屋で、後悔の気持ちが大きくなって、何度も駿佑とのLINEに「ごめんね」って打っては消してを繰り返した。
ーピンポーン
突然鳴ったインターホンには、息を切らした駿佑の姿。
慌ててドアを開けると、さっきまで電話越しでしか会えなかった駿佑がそこにいた。
息を整えながら、駿佑は私を抱きしめて笑った。
駿佑の家は隣駅で、走るにはちょっと遠い。
だけど、その道のりを走って来てくれたことが嬉しかった。
きっと私が泣いたから来てくれたんだって思うと、胸が苦しくなる。
謝らなきゃいけないのは私なのに、駿佑はギューって私を抱きしめて何度も「ごめんね」って呟いた。
駿佑は私の言うことを無視して、部屋の奥へと私の手を引いて歩く。
久しぶりにうちに来たのに、部屋を覚えてくれていて、それだけで顔がほころんだ。
そう言って駿佑が差し出してきたのは、ampjapanのアンクレット。
しかも、同じデザインのものが2つ。
ペアだと分かるものは着けられないから、ペアじゃないものを2つ買ったんだって、恥ずかしそうに笑った。
2人でそれぞれの足首にアンクレットを着けると、お揃いなのが嬉しくてお互い笑いあった。
駿佑と着ける初めてのペアアクセサリーに、何度も足元を見てはにやけてしまう。
楽しそうに言う駿佑に、私はゆっくり目を閉じた。
ーカシャッ(シャッター音)
駿佑から返されたスマホを見ると、待ち受けが駿佑の顔に変わっていた。
しかも、今撮ったらしい変顔写真。
そう言ってまた写真と同じ変顔をする。
なんだか思いっきり笑って、寂しかった気持ちも晴れた気がした。
駿佑はまた私を抱きしめた。
ギュッてきつく抱きしめられると、愛を感じた。
そう言った私に、駿佑はそっとキスをした。
fin
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しゅんなつさんリクエスト、
道枝駿佑くん小説でした★
お待たせしてごめんなさい🙏
一般人との恋とリクエスト頂いたので、
ちょっと特別な恋に悩んでる
女の子にしてみました💗
道枝くんに愛されちゃってください😘
みなさん感想やいいねくれたら嬉しいです♪
お待ちしてます!
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※2021.08.01テキストが変なとこに移動しちゃってたので直しました。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!