第59話

彼女になりたい feat.西村拓哉
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2019/12/10 08:08
あなた
また拓哉がゴール決めたっ!!
かっこいいー!!
美紗
美紗
こんな所で呟いてないで本人に言ったら?

教室の窓から遠くに見えるサッカー部を見つめてニヤつく私に、美紗は呆れた顔で言った。

あなた
それが出来たらこんなとこから見てない!

拓哉は幼馴染みで家も隣。

小さい頃から好きだったけど、そんなこと本人に言えるわけないから、ずっと気持ちが伝えられないまま高校生になっていた。


美紗
美紗
しっかし、こんなとこからよくニシタク見つけられるね(笑)
あなた
拓哉だけ光って見えるもん
美紗
美紗
いや、ニシタク神かよ(笑)
あなた
本当にキラキラしてるんだって!
美紗
美紗
そんなに好きならあそこの集団みたいにアピールしないと伝わらないよ?

美紗が指さした先には、ボール避けのネットの後ろで拓哉に熱い視線を送る女子たち。

毎日、練習が終わる拓哉を待ってプレゼントを渡したり、話したりしている。
アイドルとオタクみたいな、そんな感じ。
あなた
今更あんな風に出来ないよ。
恥ずかしくなるとバカとか言っちゃうし・・・
美紗
美紗
あなたは幼馴染みなんだから、あんな風にはしなくていいけど。
美沙は近くにあった机に腰掛けて、遠くの女子たちを指さす。
美紗
美紗
気持ちはちゃんと伝えないと誰かに取られちゃうよ?
あなた
・・・わかってるよ、、

ずっと言われてきた。

人気者の拓哉だから、私がずっと好きだったとか拓哉のことよく知ってるとか・・・そんなの全然関係なくて、ノロノロしてたら他の子に取られちゃうよって。

だけど、この関係が壊れるのが怖くて気持ちを伝えられなかったんだ。




西村拓哉
西村拓哉
あなたじゃん!
あなた
・・・ッ!!
西村拓哉
西村拓哉
何、今帰り?一緒に帰ろうぜ!
あなた
え!あっ・・・うん///
拓哉が終わるタイミング見計らったなんて言えなくて、偶然を装った。
西村拓哉
西村拓哉
こんな時間まで何してたの?
あなた
えっ、あっと・・・美沙とおしゃべり?
西村拓哉
西村拓哉
なんでそんなおどおどしてんだよ(笑)
疑問形だし(笑)

そう言って悪戯っぽい顔で笑う拓哉。
この顔が1番好きだったりする。
あなた
ば、ばかっ!
別におどおどなんてしてないよっ
西村拓哉
西村拓哉
俺が気づかないとでも思ってんの?(笑)

私の頭を軽く突っつく拓哉。

この関係が心地よくて、この関係が壊れないようにいつだって必死に"幼馴染み"を演じてたんだ。
女子
西村くん!
西村拓哉
西村拓哉
ん?・・・なに?

校門を出ようとした時だった。
同じ学年の女の子が拓哉に声をかける。

たぶん拓哉と同じクラスの子。
女子
あの・・・ちょっと話があって・・・

ちらっと私に目をやる女の子を見て、
きっと告白なんだろうなって勘づいて胸がチクリと痛んだ。
女子
あのさ・・・2人って付き合ってるの?
あなた
え、えっと・・・
西村拓哉
西村拓哉
ただの幼馴染みだよ

戸惑う私をよそに拓哉は「ただの幼馴染み」と間発入れずに言い放った。

それが辛くて、幼馴染み以上の気持ちを持ってはいけない気がして、今にも溢れそうな涙を堪える。
あなた
じゃあ私、先に帰るね
女子
ごめんね?ありがとう!
西村拓哉
西村拓哉
あなた、待ってて
あなた
でも・・・
西村拓哉
西村拓哉
いいからここで待ってて

そう言って、私を留まらせると、拓哉は声をかけてきた女の子と一緒に少し離れたところに向かった。




拓哉の前で顔を真っ赤にして立つ女の子。

「拓哉が取られちゃうかもしれない」
そう思ったら、また胸が締めつけられる感じがした。


あなた
えっ・・・うそ、

見ていたくないのに二人から目を逸らせないでいると、女の子が笑顔で拓哉に飛びつく姿が目に映った。
あなた
・・・OK、しちゃったんだ



「取られちゃうよ」

何回も何回もみんなから言われた言葉。



だけど、本当に取られるなんて思ってなくて、どこか拓哉は離れていかないような気がしてて・・・


だけど、そんなの間違いだったんだ。

あなた
・・・ッ!!

その場に居るのが辛くて、拓哉を置いて走ってその場から逃げた。






あなた
ぐすっ・・・拓哉、
西村拓哉
西村拓哉
あなたっ!!
あなた
・・・ッ!!拓哉・・・?
追いかけてきてくれた拓哉に、私は慌てて涙を拭き取って笑顔を見せた。
あなた
拓哉、何してるの?あの子は?
西村拓哉
西村拓哉
何してるの?はこっちのセリフ!
何ひとりで帰ってんだよ?
あなた
だって・・・2人が付き合い出したみたいだから、私なんか居たら邪魔だと思って。
西村拓哉
西村拓哉
なに言ってんの?
付き合い出したって誰がだよ
あなた
拓哉とさっきの子
西村拓哉
西村拓哉
付き合ってないから!
あなた
でも抱きついてたじゃん
西村拓哉
西村拓哉
あれは勝手に抱きつかれただけで・・・
断ったよ。俺、好きな子いるし。
あなた
え・・・?

「断った」って言葉は嬉しいのに、
「好きな子がいる」ってその一言で、私の失恋が確定した。

西村拓哉
西村拓哉
あなたは好きな奴いる?
あなた
べ、べつに・・・
西村拓哉
西村拓哉
そっか・・・

隣を歩いてたはずの拓哉が私の前に向かい合って立った。
西村拓哉
西村拓哉
じゃあ、なんで泣いてんの?

私が好きな悪戯っぽい顔で笑う拓哉。
あなた
・・・え、
西村拓哉
西村拓哉
俺が追いつく前も、
「好きな子がいる」って言ってからも。

拓哉が私の頬に触れて、自分が涙を流していたことに気がついた。
西村拓哉
西村拓哉
それって、俺の事好きだからって思っていいの?
あなた
それは・・・
西村拓哉
西村拓哉
俺の好きな子は・・・あなただよ?
あなた
えっ!?
西村拓哉
西村拓哉
ずっと好きだった。
あなた
嘘だ・・・ふざけないでよ・・・
西村拓哉
西村拓哉
ふざけてないよ。
あなたのことが好きだよ
拓哉は私をギュッて抱きしめた。
西村拓哉
西村拓哉
なんで気づかないかなー、俺の気持ち
あなた
全然わかんないよ
西村拓哉
西村拓哉
俺はあなたの気持ち、気づいてたんだ
あなた
えっ///
西村拓哉
西村拓哉
でも勘違いだったらって思ったら怖くて・・・告白も出来なかった。
そう言って、私を抱きしめる手に力を入れた。
西村拓哉
西村拓哉
臆病でごめんね
あなた
ううん
西村拓哉
西村拓哉
あなたの気持ちも聞かせてよ
あなた
私も好きだよ。拓哉のこと。
西村拓哉
西村拓哉
ふふ・・・ありがと。
あなた
拓哉が誰かに取られちゃうんじゃないかってずっと不安だったの。
西村拓哉
西村拓哉
俺だって。
あなた
ねぇ、私たちの関係ってこれからどうなる?
西村拓哉
西村拓哉
どうって?
あなた
今までの関係は崩したくない。
だけど・・・
西村拓哉
西村拓哉
あなたはどうしたい?
あなた
私は・・・拓哉の彼女になりたい!
西村拓哉
西村拓哉
ふっ・・・そんなの言われなくたって彼女にするに決まってるじゃん(笑)
あなた
・・・ふぇ?
西村拓哉
西村拓哉
こんな可愛くて愛おしい相手と両想いになったのに、彼女にしない理由ある?
あなた
・・・ばか///
西村拓哉
西村拓哉
俺があなたの考えてること、わかんないわけないじゃん(笑)
あなた
どっから来んのよ、その自信!
西村拓哉
西村拓哉
小さい頃から一緒にいたから分かっちゃうんだよねー(笑)

そう言って拓哉は悪戯っぽい顔で笑って、私にキスをした。

西村拓哉
西村拓哉
今、キスしたいって思ってたでしょ?
あなた
うるさいっ///

私たちの関係はこれまでと同じ。
だけど、少しだけ前進した気がした。





fin.


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春さんリクエスト、
西村拓哉くんの小説でした★

リクエストからものすごーく時間かかってごめんなさい💧

西村くん勉強不足で難しい💦
カッコイイ幼馴染みをイメージしました!
イメージ全然違ったらごめんなさいm(_ _)m

みなさん感想&いいねくれたら嬉しいです♪
お待ちしてます!

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