第55話

私のヒーロー feat.松村北斗
22,045
2019/10/13 13:30
女子
あなたちゃん

手招きして私を廊下へ呼ぶクラスの女子たち。
また、"あの時間"が始まる-。

松村北斗
松村北斗
・・・
あなた
・・・
廊下に出ようとしたときに、教室の後ろで友達とふざけてた松村くんと目が合った。

小学生の頃から同じ学校だったけど、地味な私と対照的にいつも友達に囲まれている松村くんは一度だって話したことは無い。

女子
ねぇ、早く!
あなた
(ビクッ)

女子たちが出した大きな声に、私は急いで廊下に出た。
松村北斗
松村北斗
・・・





-トイレ
人が滅多に来ない空き教室近くのトイレ。
声を上げても無駄だって分かってる。
女子
ねぇ、なんでさっさと来ないわけ?
女子
せっかく誘ってあげたのに
女子
私たち待たせて何様なの?
あなた
そんなんじゃ・・・
女子
口答えするの?あなたちゃん?

トイレの床に押し倒されると、女子たちの蹴りが私の身体に何度も当たる。

何度も何度も蹴られて、頭や溝落ちを守るのに必死だった。
あなた
・・・くっ、
女子
生意気なんだよっ

元々仲良しだったこの子たちは、高校2年になってすぐ私を虐めるようになった。

理由はリーダー格の子が好きだった人が私の事が好きだと言う噂が流れたから。

ただの噂だけで壊れた関係。
だけど、ひとりぼっちは嫌でずっと耐えてた。
あなた
お願い、やめて
女子
うん、わかったー辞めるー
・・・なんて言うとでも思ったの?(笑)
女子
うるせーんだよ、

女子グループの1人が水道にホースをつける。
あなた
いや、ヤダ・・・

床を這うように後退りするけど、直ぐに他の女子に捕まって私は個室の中へと閉じ込められた。
あなた
お願い!出して!
ごめんなさい、ごめんなさい!
女子
床這って汚くなっちゃったからシャワー浴びようねー
女子
ちゃーんと浴びてね?
-ビシャー

水の音がトイレに響き渡る。
あなた
・・・ッ!!キャッ!

個室の上からホースを通して水が降り注ぐ。
避けることの出来ない狭い個室で、私は黙って水を浴びるしかなかった。

しばらくすれば飽きて居なくなる。
それまで我慢すればいいだけ。




-そう思ってた。









-キュッ
松村北斗
松村北斗
山下(先生)こっち向かってるよ

蛇口を絞める音と共に、松村くんの声が聞こえた。
女子
行こっ!!
女子
やべっ
女子たちは私を個室に閉じ込めたまま、トイレから出ていった。
-ギィーッ・・・
松村北斗
松村北斗
・・・大丈夫?

松村くんがドアを開けると、私は解放された喜びで力が抜けて床に座り込んだ。
松村北斗
松村北斗
おい、大丈夫かよ
あなた
はい、ありがとうございます
松村北斗
松村北斗
ほらっ

そう言って自分の学ランを、びしょ濡れの私の肩にかけた。
あなた
あっ!私汚いので・・・だ、大丈夫です!
松村北斗
松村北斗
大丈夫だから
あなた
・・・ありがとうございます
松村北斗
松村北斗
敬語、やめね?
あなた
えっ?
松村北斗
松村北斗
クラスメイトだし。
それに小学校の頃から一緒じゃん。
あなた
え、私のこと覚えてくれてたの?
松村北斗
松村北斗
覚えてないわけねーじゃん(笑)

ニコッて笑いかける松村くん。
松村北斗
松村北斗
あんな奴らといて楽しい?
あなた
楽しいわけないよ・・・
でも、ひとりぼっちになりたくない。
松村北斗
松村北斗
理由、それだけ?
あなた
えっ?
松村北斗
松村北斗
だったら俺らと居ればいいじゃん
あなた
えっ!?
松村北斗
松村北斗
驚きすぎ(笑)
あなた
だって私なんかと松村くんの居る華やかグループ合わないよ
松村北斗
松村北斗
あんなイジメするような奴らより合うと思うけど?
あなた
でも・・・
松村北斗
松村北斗
よし!決まり!
あなた
え、ちょっと・・・

私の腕を引っ張って、教室の方へと向かう松村くん。

びしょ濡れの地味な私と、学校内でも人気が高い松村くんがふたりでいるだけですれ違う人達は私たちに目を向ける。

あなた
松村くん・・・すごい見られてるからっ
松村北斗
松村北斗
いいから、いいから!


松村くんはそんなこと全く気にせずに、教室までの道を進む。

そして教室でふざけ合ってる女子たちの前に行くと、なんの躊躇いもなく言い放ったんだ。
松村北斗
松村北斗
こいつ、今日から俺らの仲間だから。
もうこいつに構わないで。
女子
は?北斗何言ってんの?
松村北斗
松村北斗
そのままの意味だけど?
女子
あなたちゃん、どういうことかな?

不敵な笑みでリーダー格の女子が私に話しかける。
あなた
・・・っと、その・・・
松村北斗
松村北斗
言ってやれよ。
お前らといても楽しくないって。

私の肩を抱えて、私に勇気を与えてくれる。
あなた
た、たのしく・・・ないです。
女子
は?お前、何言ってるか分かってる?
松村くんは私に掴みかかろうとした女子を片手で止めて、もう片方の手で私を抱きしめる。
あなた
も、もう一緒に居たくないです!
女子
ちっ

大声を出した私に舌打ちをして、女子たちは教室を出ていった。

松村北斗
松村北斗
よく言ったじゃん!
あなた
あっ、あの・・・私・・・
松村北斗
松村北斗
最高だったわ、アイツらの顔(笑)

私の頭を撫でて、松村くんは微笑んだ。
あなた
松村くん、ありがとう。
松村北斗
松村北斗
北斗でいいよ
あなた
え?
松村北斗
松村北斗
俺らと居るなら呼び方もみんなと同じ!
わかった、あなた?
あなた
え、あっ・・・えっと・・・///

名前で呼ばれたことに恥ずかしくなって、
私は顔を真っ赤にした。
松村北斗
松村北斗
おいで、あなた!みんなに紹介するよ!
あなた
うんっ!





fin
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ブラックバードさんリクエスト、
松村北斗くんの小説でした★

リクエストから時間かかってごめんなさい💧

いじめられてるのさりげなく助けるっていう
設定だったけど、さりげなくないw
少女漫画にありそうな北斗くんでした!w

みなさん感想くれたら嬉しいです♪
お待ちしてます!

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