2021/10/17 公開
2022/4/2 誤字修正
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今日は付き合い始めたばかりの光成くんと初めてのデート。
私が見たかった映画を観るために、渋谷の映画館へとやってきた。
それぞれ飲み物と映画の定番ポップコーンを買うと、自分たちの座席へと向かった。
真ん中辺りのセンター席。
上映開始から日が経っているからか、お客さんは疎ら。
座席に座ってすぐ予告が始まって、座席が少し薄暗くなった。
予告中も周りは静かだから、ポップコーンをつまみながらスクリーンに集中していたのに・・・
ポップコーンを取ろうとした手が重なってしまって、私たちは小声で謝罪する。
漫画やドラマの中の世界みたいな出来事が起きて胸のドキドキがとまらない。
光成の方を見たらひとつポップコーンを手に取って私に差し出している。
いわゆる"あーん"の状況に恥ずかしさが込み上げてきてフリーズする私に、光成は私の口までポップコーンを運んだ。
口に入ってきたポップコーンはさっきまでとは比べ物にならないくらい甘くて美味しい。
照れた顔を少し俯かせながら味わう私を見て、光成はニッコリ笑ってまたスクリーンへと視線を移した。
本編が始まってすぐ。
観たいと思っていた映画は思ったよりホラーで、私は大きな音や恐怖シーンがある度に体をビクッと震えさせた。
スクリーンの光で見える光成の顔は赤くなっていて、私まで緊張で顔が赤くなるのが分かった。
初めての手つなぎ。
手汗大丈夫かな?とか、どう繋げばいいのかな?なんて考えるけど答えなんて分からなくて、とにかく光成の手に自分の手を重ねた。
ギュッとカップル繋ぎで握られた手は固く結ばれていて、私が体を震えさせる度にギュッと力を入れてくれたから、なんとか映画も最後まで見ることが出来た。
映画が終わって渋谷の街をブラブラと散歩しながら、私はさっきのお礼を伝えた。
映画が終わってから離された手は、なんだか寂しい。
「手を繋ぎたい」
たったそれだけの言葉は恥ずかしさで出てこなかった。
途中で見つけた公園のベンチに座って、さっきの映画や学校のことを話す。
光成の隣で座って他愛もない話をしているだけで幸せだった。
そう言って差し出された飲みかけのお茶。
意識してしまうともうダメで、私たちはふたりして顔を真っ赤にする。
光成は慌てて自販機を探しに行くけど、近くにはないみたいでそのままベンチへと戻ってきた。
突然奪われた唇。
初めてのキスはそっと触れるだけのキスだったのに、私にはすごくスローモーションに見えた。
キスのせいでもう何もかも真っ白。
間接キスになることなんて忘れて、私は慌てて貰ったお茶を1口飲んだ。
何時間もそこで喋って辺りが暗くなり始めた頃、デートの時間も終わりに向かう。
帰宅するために渋谷の駅へと向かおうと歩きだす光成を服の裾を掴んで止めた。
まるで駄々をこねる子供みたいに裾を掴んだまま立ち尽くすと、光成は私の心を読み取ったかのように振り返って私に問いかける。
またギュッと握られた手は指まで絡められて私たちを繋ぐ。
fin.
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きんぴらごぼうさんリクエスト、檜山光成くん小説でした★
お待たせしてごめんなさい🙏
いつもリクエストありがとうございます♡
初々しいデートでリクエストいただきましたが、
作者初々しいデート何千年もしてないことが発覚し、
上手く書けず・・・すみません🙇♀️(土下座)
とりあえず初々しいの定番
手が触れてドキッ、手繋ぐのにドキッ、
間接キスでドキッを盛り込んでみまたしたw
みなさん感想やいいねくれたら嬉しいです♪
またリクエストお待ちしてます!
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!