*照くん目線
待ち合わせの場所に小走りで駆け寄るあなた。
まだ付き合い始めたばかりの俺の大切な彼女。
今日は俺の仕事の合間にタピオカデート。
そっと頭に手を置くと、あなたは嬉しそうに俺を見て笑った。
そう言って、俺はスマホで調べてた近くのタピオカ屋をあなたに見せた。
俺らのデートはもっぱらタピオカデートで、お互い好きだからいろんな店に行ってる。
手を出してあなたを待つと、顔を真っ赤にして俺を見る。
黙ったまま首を横に振るあなた。
手を繋ぐのが嫌じゃないって分かった俺はそっとあなたの手を取った。
ギュッと繋いだ手を握ると、あなたは嬉しそうに笑って握り返した。
この仕事をしてるとデートなんて滅多に出来ないから、会えた時はこれでもかってくらい仲良くしたい。
俺はノーマル、あなたは黒糖入りが好きで、大体同じメニューを頼んでいる。
俺の話をニコニコしながら聞くあなた。
この顔が堪らなく可愛い。
いつだってこうやって俺の話を笑って聞いてくれるあなた。
ちゃんと仕事のことも理解してくれるし、筋トレのことも理解してくれるあなた。
本当にいい子すぎて、大切にしなきゃなって毎日考えてる。
📱pipipipi(着信音)
あなたに促されて電話に出ることにした俺は、あなたを残して少し離れた場所に向かった。
ー5分後
仕事の話で5分くらいかかってしまって急いであなたの元に戻るけど、さっきの場所にあなたが居なくなってた。
すぐあなたに電話を掛けるけど、呼出音だけが虚しく鳴り続ける。
電話長すぎて帰っちゃったのかな?とか、
誰かに絡まれて連れていかれちゃったんじゃないかって色んな事を考えながら周りを探す。
振り返るとニッコリと笑ったあなたの姿。
抱きしめると、真っ赤な顔でフリーズするあなた。
そう言って両手に持ったタピオカを俺に見せる。
「ふたりきりの時間、減っちゃうから」って耳まで真っ赤にしたあなたが可愛くて、抱き締める腕に力が入る。
あなたからタピオカを受け取ると、人が居なくて静かな公園のベンチに座った。
あなたが手に持ったままのタピオカに顔を近づけて、あなたの分のタピオカを飲んだ。
真っ赤な顔のあなた。
なんだか今日ずっと真っ赤な顔してるあなたがいつも以上に可愛くて、思わず頬にキスをした。
突然のキスで完全にフリーズしたあなた。
さらに赤くした顔で少し俯いてる。
そう俯いたまま呟いたあなたの顔を覗き込んで、今度は唇にキスをした。
しばらく黙ったままのあなた。
付き合って、初めてのキス。
やっぱり嫌だったのかな?とか、タイミング間違ったかな?とか不安になってくる。
再び唇に落としたキスは、甘い黒糖の味がした。
fin
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たかみね 🍒🌟さんリクエスト、
岩本照くん小説でした★
タピオカデートってリクエストもらったんですが、そんな可愛いデートしてなさすぎてなんか違う感じになってしまった・・・ごめんなさい💦
みなさん感想&いいねくれたら嬉しいです♪
お待ちしてます!
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。