太股が重なり合う音を立てないように ゆっくりと
でも器用に 私の良いトコを擦りながら 突き上げる。
智が顔を顰めて ん、と小さな吐息を零す。
決まって 絶頂が近い合図だ。
それを分かっている私もまた 絶頂がすくそこ。
「ぁ⋯⋯やべ、」
「イ⋯ク、っぁ、!」
智のモノが ふいにいちばん奥の気持ちいいトコを突いて
ピクピクと微かに痙攣しだした。
それに合わせるかのように 私も二度目の快感を手放した。
「も、ばかっ⋯⋯なんで、」
「すっげ きついからもたねんだもん」
「ごめん、」
「いや、おれがごめん」
「ちが、翔くん⋯⋯」
智が 続きを言わせまいと私の首筋に噛みつく。
「ま、これ付けときゃ 何もされねぇだろ」
「智⋯⋯」
「も、ほんと嫉妬させんなよ」
いつもの声に戻った彼が 首筋の痕をするりとなぞった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!