『いらっしゃいませー』
「お前(笑)棒読みかよ(笑)」
『いいじゃねぇかよ別にー
…いや、それより…研磨のやつ、逃げやがった!!』
「仕方ねぇだろ。あいつはそういうやつなんだ。お前もよーく知ってんだろ?」
『そうだけど…わたしも頑張ってやってんのに研磨のやつ…!!』
「まぁまぁ。」
兄貴が、私たちに頼みにきたこと。
…それは……
「一週間だけでいいからさ、カフェでバイトしてくれるか?」
『…は?』「…は…」「嫌。」
「いや、早ぇよ研磨(笑)」
「実は、風邪だった俺の菌がバイト仲間に移って…一気に3人も。」
「うちの店、結構人気だし…3人も休んだら人手が足りなくて人気が落ちる。それだけは避けたい!」
「だから、誰か代わりはいないかと思って…」
「やれるか?お前r…」
『「嫌だ。」』
「俺は別にいいけど…」
「えー…」
「即答かよ二人とも(笑)」
「まぁ待てよ!!お前らにも悪い話じゃないぜ?」
『は?』
「…」
「研磨、ゲームするな(笑)
椿くんの話を聞け(笑)」
「一週間してくれたら、ひとつだけ言うこと聞いてやる。っていったらどうだ?ハワイでも金でも、なんでもいいぞ」
『…』
「…」
「ゲームするなって(笑)」
私の兄貴は、超有名な俳優。だからそんなことが言えるんだろう。
『うーん…二人とも、どうする?』
「…」
「俺は行くわ。一度だけでも、ハワイとか行ってみてぇしな。」
『研磨は?』
「…」
『あのパン屋よりも美味いアップルパイが…いくつも買えるんだとよ』
「行く」
「『行くんだ(笑)』」
そして、兄貴に「今すぐ行くぞ!今が混む時間帯なんだ」って言われて、先生に許可をもらった。
普通、許可なんてしないだろうけど、有名俳優となればなぁ…
目をハートにして許可してたわ。
そして…
『いらっしゃいませー』
「いらっしゃいませー!!』
「ぃらっ…ゃ……せ」
『研磨、大丈夫か?』
「…お…」
「俺もう無理…」
「あっ、ちょっと!?」
『どこ行くんだよ!?』
「研磨さーん!?」
『研磨のやつ…』
「まぁまぁ。先輩に頼りつつ、二人で頑張ろうぜ?」
『わかったよ…』
『やっと終わった…』
「人気の店って、一日でこんなに疲れるんだな…」
『帰ろう。』
「ああ。」
『あと6日…頑張るか!!』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。