『おおー…久しぶりに入ったなぁ…クロの家。』
「あー…そういえばそうだな。久しぶりに入った感想は?」
『汚い』
「ヒドイ」
『…あれ?おばさんは?』
「仕事ー。こっちも1、2年じゃねぇけど、しばらく帰ってこない」
「だから、お前がきてくれてちょうどよかった。ありがとな」
『いや、こっちもありがとう』
私が案内された部屋は、クロの部屋の隣の、空き部屋だった。
結構キレイだったし、広いからよかった。
『早速だけど、さっきめっちゃ汗かいたから、シャワー浴びていい?』
「エンリョなくドウゾー」
『ありがと』
さてと…たしか風呂場は、コッチだったかな。
…おお、あってたあってた。
私はポイポイ、と近くにあった洗濯カゴに服を脱ぎ捨てて、風呂に入ろうとすると、
「翼!お前着替え…」
クロがカーテンを開け、はいってきた。
『「あ」』
と、二人で同時に言うと、クロはすぐさま後ろを向いて、こう言った。
「…遅かったk…ぎゃあああああ」
私はクロが言う前にクロに蹴りをいれていた。夜っ久んか。
「へっくしゅん。やべぇ…風邪かも」
『…せめてカーテン開ける前に名前を呼んでくれ』
「ごめんなさい」
「…にしても翼…」
『ん?』
「お前…
育ったn…ぐわあああああ」
今度はミゾを殴った。
マジでいい加減にしろよコイツ
…ていうかしっかり見てたのかよ…
『もう着替えは持ってきたし、今度こそちゃんとシャワー浴びるから、言いたいことがあるなら今言って』
「…ないです」
『わかった。じゃあもう一回来たら今度こそ殺す』
「…はい」
そして今度こそ、近くにあった洗濯カゴに服をポイポイと脱ぎ捨て、風呂に入ってシャワーを浴びた。
『…あー…本当風呂って幸せ…』
あったまる〜
『よし。今度は何事もなく入れたな』
「…すんません」
『分かればいい』
『それより、晩飯食べよう』
「そうだな、腹へった」
『何がいい?』
「なんでもいいデスヨ〜」
『わかった』
なんでもいい、と言われたので、冷蔵庫にある食材で作ろうと思い、作ったのは…
『肉と味噌汁とサラダだ!!たっぷり食うがいい』
「おお!美味そー」
『「いただきまーす」』
「…うお!!美味ぇ!!」
『お、そりゃあよかった!』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。