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私は、緊急ニュース番組の内容に呆然としていた 。
あなた 「……え?」
『…情報提供を呼びかけています。警察の発表によると、死者12名を出した殺人事件の犯人は、日本から来たヒーロー・デク。本名、イズク・ミドリヤと断定。全国に指名手配しました。なお、容疑者には共犯者が一名いるとの情報もあり…』
画面にはデクくんの写真が大きく映し出されていた。
あなた 「デクくんがこんな事するわけ無い…!」
バックドラフト 「なぜそんな事に…。」
私の隣にいるバックドラフトもテレビを見て
驚いている。
冬のインターン中だった私たちは、世界規模の作戦である《トリガー・ボム》の回収の為に、選抜ヒーロー・チームに選ばれている。
エンデヴァー事務所にインターン中のデクくん、かっちゃん、轟くんは大西洋に面する島国・オセオン国。
バックドラフト事務所にインターン中の私は、そのオセオン国と二分されている隣の国・クレイド国の担当となった。
クレイドにはヒューマライズの施設はないけど、オセオン国にいるエンデヴァー達の援助の為に派遣された。
昨日も、ヒューマライズの施設を一斉捜索する為にオセオン国担当のエンデヴァー事務所とチームアップを取った。
本当は昨日で作戦を終わらせるはずだったが、失敗に至った為、各チーム待機となったのだ。
デクくんが全国に指名手配されたという事は、
何か大変な事に巻き込まれたに違いない。
その大変な事とは一体何………????
全国に指名手配されたとなると、恐らくデクくんは
どこかに身を隠そうとしているはず。
オセオンは絶対に警備が強くなっているから無い。
でもそんな警察も国境を出ると手を出せない。
となると、デクくんが今から逃げるとしたら………
ピコンッ
すると、私の携帯に一件の連絡が来た。
あなた 「!! バックドラフト!デクくんから…!」
メールの差出人は、デクくんからだった。
私は、急いでメールを開く。
『暗くなったら
冷蔵庫にある
イチゴを
どうぞ』
あなた 「これ……。」
バックドラフト「暗号だね。」
謎に改行された文章。
綺麗に一列に揃えられている頭文字。
あなた 「…く、れ、い、ど……。」
文章の頭の文字だけを読むと、一つの国の名前に辿り着いた。
バックドラフト 「クレイド!!!ここの事か!」
デクくんはここに向かってくる。
それで多分、クレイドにいる私にこのメールを送ってきた。
助けを求めてる。
あなた 「私、デクくんと合流します。
…バックドラフト、良いですか?」
バックドラフト 「分かった。トリガー・ボムは任せて。気をつけるんだよ!!」
あなた 「ありがとうございます!!」
私は必要な荷物を持ち、建物を出た。
無事、デクくんに会えますように……!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。