あなたside
何年でも待つ、ねぇ
口ではなんとも言える
けど心のどこかで待っていて欲しいと思うのはやっぱり風磨が好きだからなのだろう
『…他の子に目移りしたら許さないから』
風磨「あなた…?」
『いいよ、警察行くよ』
風磨「…っありがとう」
『でも一つだけ約束して?』
"お兄ちゃんのこと世間に知らせて欲しい"
これが私の最後の目的だから
風磨「分かった、約束する」
『ん、ありがと…じゃあね』
風磨「あなたっ!」
ギュッ
『ふ…ま?』
風磨「好き、大好き、愛してる」
『…っ///』
風磨「早く出てこいよ?待ってるから」
『うん…』
風磨「じゃあ…」
バイバイ、なんて言わない
次にこうやって抱き合えるのは何年後になるか分からないけど
ちゃんと待っててもらおう
『健人くん、勝利、ごめんね…今までありがとう』
健人「あなたちゃん、よく頑張ったね…」
勝利には衝撃が大きかったのか無言で立ちすくんでいたけれど
健人くんは私と目線が合うように屈んで私の頭をそっと撫でた
優しすぎるんだよ
だから私は健人くんが
『嫌い(ボソッ』
健人「え?」
『健人くん優しすぎるんだよ!大っ嫌いっ…泣』
健人「ふはっ笑じゃあ俺はずっと嫌われたままでいいや笑」
私は何回健人くんに助けられたんだろう
感謝してもしきれないね
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!