風磨side
中島の話が一段落した時俺はあることに気づいた
あなたから連絡が来てないことに
もう家に着いててもおかしくない時間
何かあったのか
急に不安になってきた
健人「ソワソワしてどーしたの?」
『あなたから連絡が来ない』
健人「え?」
『家ついたらしてって言ったのに』
健人「寄り道でもしてるんじゃない?」
それは有り得る
有り得るけど
なんか胸騒ぎがする
健人「…そんな心配なら電話してみれば?」
『え…?』
健人「全部顔に出てるよ?笑」
『…かけてみる』
プルルルル…
お願い、出て…!
ガチャ
『あなたっ?!』
あなた「ふ…まくん…」
泣いてる…?
声震えてるし
何があったんだよ
あなた「あっ…ごめん、家ついたよ…」
『そっか…なんかあった?』
あなた「えっ…?」
『泣いてるでしょ?』
あなた「な、泣いてないよ…っ」
嘘つくと噛む癖
俺には分かるよ
『ねぇ』
あなた「ご飯だから切るね、ごめん」
『ちょっ』
ブチッ
健人「泣いてたの?」
『あぁ…』
健人「心配だけど…下手に首突っ込むのは…ね」
『だよな』
この時ちゃんと聞いておけばよかったなんて
俺が後悔するのはまだ先の話
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!