第6話

彼女の名前
1,048
2020/04/03 05:21
榊原唯人
榊原唯人
……本当に来たんだね、学校。
 僕は、隣の席に当たり前のように座る死神を一瞥して言った。
???
???
あら、来ないとでも思ったわけ?
私がせっかく知らせておいてあげたのに?
榊原唯人
榊原唯人
……いや、そういうわけじゃないんだけど。
 朝っぱらからこれだ。
僕は既に、諦めの境地にいる。
榊原唯人
榊原唯人
死神の制服って、笑っちゃうね。
 僕は思わず、彼女の姿に苦笑した。
死神と人間界の制服なんて、不釣り合いにも程がある。
???
???
ふんっ、失礼しちゃうわね。
似合ってるの間違いじゃなくて?
榊原唯人
榊原唯人
そうかも。
 僕は、窓の外に視線を向け、大きく息を吐き出した。
こんなうるさいお隣さんだなんて………。
それに、なんなんだ?
このクラスの馴染みようは。
まるで、人気者じゃないか。
彼女は、机の周りに集まっている沢山のクラスメイト(陽キャ)に囲まれているのだ。
もちろん、男子も女子も関係なく。
どうせ、記憶を書き換えるとか何とか言ってたから、調子に乗って、自分の都合のいいように書き換えたんだろう。
_______私情を持ち込みすぎだ。
陰キャの僕は、彼女にすごく話し掛けづらい。
聞きたいことはいくらでもあるってのに。
担任の先生
担任の先生
おい、早く着席しろー。
チャイム鳴ってんぞ。
 担任の先生が、チャイムと同時に教室に入ってきた。
彼女の周りに集まっていた生徒が、それぞれの席へと戻っていく。
???
???
まずは授業よね!
数学かしら?
 彼女は、そう言い国語の教科書を出した。
榊原唯人
榊原唯人
まだだよ、HRホームルームやってから。それに、それ数学じゃなくて国語の教科書だよ…。早く仕舞って!
???
???
全く、面倒臭いわね
 彼女は、文句を言いつつ、のろのろと教科書を引き出しに仕舞った。
マイペース過ぎる。
こっちがヒヤヒヤするよ。
担任の先生
担任の先生
どうした栗栖、教科書なんか出して。
やる気があるのはいいが、まだHRだぞ。
 先生が笑いながら言った。
誰のことだか、分からなかった。
僕は、クラスメイトの苗字ですら、全員覚えてないのだから、そんな人いたっけなんて思っていた。
しかし、明らかに先生の視線が僕の方に向いている。
僕は榊原さかきばらだ。
それに、HR中に教科書を出すなんて馬鹿じゃない。
まず、そんな奴がクラスにいたか?
僕がそう思ったのも一瞬だけ。
__________いた。
さっきまで会話をしていた隣のヤツが。
栗栖紗奈
栗栖紗奈
はーい、すみませーん
クラスメイト
クラスメイト
栗栖、今更優等生ぶっても成績上がんないぞー
クラスメイト
クラスメイト
さなっち、ヤバ〜!
 どっと笑いが起き、そこらじゅうから野次がとぶ。
どうやら、彼女の名前は栗栖紗奈くるすさならしい。
そしてクラスメイトからは”さなっち”なんていう愛称で呼ばれているみたいだ。
僕は彼女の名前を聞いていなかったことに気づき、1人納得した。
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小桜もか(作者)
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こんにちは!作者の小桜もかです。
小桜もか(作者)
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今回から、本格的に物語が動き出すので、キャラクターを”少年少女好き?メーカー”さんでつくってきちゃいました!(꒪꒫꒪ノノ"パチパチパチ
小桜もか(作者)
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これから登場人物も増やしていく予定(あくまで予定)なので、『死神のきみは今日も僕を死なせてくれない。』をよろしくお願いします!!

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