スタンバイの位置につくと、僕らの1曲前を歌っている濱ちゃんの姿が見えた。
入所してからずっと、カッコいいと思う、濱ちゃんのダンスと歌。
でも、7WESTになって初めて、濱ちゃんの大変さが少し分かった。
始めの頃は、濱ちゃんやって一緒にやっていく仲間がたくさんおったけど、
仲間がいなくなって、1人でやっていくことの大変さ。
プレッシャーや、不安。
そんなことを知って、ここから見る濱ちゃんの背中は、
あの頃よりもっと、強く見えた。
ー「しげはもう、1人じゃないねんで」
ふと浮かんだ照史君の言葉に、隣を見る。
きっと、これから先ずっと、
僕が死ぬまでずっと、
一緒にいる仲間なんだろう。
隣に立つ、僕の大好きな3人は、
僕を見て笑ってくれた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。