第29話
重岡side
スタンバイの位置につくと、僕らの1曲前を歌っている濱ちゃんの姿が見えた。
入所してからずっと、カッコいいと思う、濱ちゃんのダンスと歌。
でも、7WESTになって初めて、濱ちゃんの大変さが少し分かった。
始めの頃は、濱ちゃんやって一緒にやっていく仲間がたくさんおったけど、
仲間がいなくなって、1人でやっていくことの大変さ。
プレッシャーや、不安。
そんなことを知って、ここから見る濱ちゃんの背中は、
あの頃よりもっと、強く見えた。
ー「しげはもう、1人じゃないねんで」
ふと浮かんだ照史君の言葉に、隣を見る。
きっと、これから先ずっと、
僕が死ぬまでずっと、
一緒にいる仲間なんだろう。
隣に立つ、僕の大好きな3人は、
僕を見て笑ってくれた。