第10話

神山side
1,442
2018/03/14 12:36
お昼過ぎ、しげからメールが来た。


ー朝はありがとう。ほんまに。でも自転車で俺ん家まで来てたらレッスン大変やったんちゃう?
あ、そうそう、神ちゃんのおかげで注射とか検査、寝ちゃってて意識なかった。イエーイ!!


何か変なリアルなクマが「シャケ―!」って叫んでるスタンプと一緒に送られてきて、笑ってしまう。


小瀧
・・どしたん?
しげが心配で元気がなかったのんちゃんが、笑う僕を見て不思議そうにする。

そんなのんちゃんにメールを見せると、
小瀧
・・しげ、元気そう。
そう言って微笑んだ。

小瀧
・・って、何?このスタンプ。えー、オレも欲しいなぁ。せや!しげに欲しいって送ってみよ
望はスタンプを見て、自分のスマホを取り出して、しげにスタンプ欲しいって催促メッセージ。


えぇ・・?普通そういうことする?

自分で買えばええのにね(笑)





そんな望に苦笑しながら、しげからのメッセージをもう一度見た。



しげが何かを抱え込んでるのか、それとも別にそうでもないのか、結局は分からない。




ー「ありがとう」



背中をさすってた時に小さく言ってくれた言葉。





ただ確かなことは、

しげは強いってこと。


ほんまに、強いんやってこと。




でも、しげとは親友なんやし、俺なりにしげのこと、これからも支える。


そんなことを思った日は、もう秋の匂いがしてた。

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