流星の文具見終わって、一通り興味ある店は見たんやけど、お揃いのものはなかなか見つからない。
神ちゃんの案で、おじちゃんがやってる露店に行った。
なんでも好きな文字でキーホルダー作ってくれるねんて。
僕が言うと、3人とも「そうやな」と頷いた。
僕らが紙に7WEST、とかくと、おじちゃん、つまりながら目を細めてる。
望が聞くと、おじちゃんは「あぁ、英語か・・」と照れながらも、「できるで!」って笑った。
もうまわりきったんやけど、時間がかかるのならしょうがない。
4人でちょっとゆっくり歩いてたら、流星が急にたたーっと走って行って、何かを持って来た。
流星が持ってたのは、薄いブルーで、WESTってかかれたタオル。
よおこんなタオルあったな。
4人で手に取って、「じゃあ、俺が買うたる!」って手あげたら、みんなしーんってなった。
え~?せっかくかっこええしげちゃんになったったのに。
そんな流星の提案に、全員で突っ込む。
口々に言いながらタオルも買って、ちょっと休憩。
ファミレスに入っても僕の頼めるものはあんまりないし、悪い気がしたけど、フードコートで休むだけになった。
椅子に座って「あぁ~」って声出してたら、神ちゃんがそう尋ねた。
今度は望に。
「大丈夫やで」っていう僕と、「全然平気やで。心配し過ぎ~」って笑う望。
ああ、せや、おかんや。
神ちゃん、なんか誰かに似てるなぁって思っててん。
おかんか(笑)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!