第21話

No.21
3,162
2021/07/24 03:19
あなた

...








晩御飯やお風呂などの就寝支度を済ませてから、私はずっと自分のスマホと睨めっこをしていた。





いや、青柳くんから連絡する、って言ってたから、いつでもできるようにしてるだけだよ。





青柳くんと話せることが楽しみとか、そんなんじゃないんだから。





その時だ。





私のスマホが音をたてたのは。







あなた








慌てて置いてあったスマホを取り、画面を見る。





そこに表示されていたのは、青柳くんの名前とLINEのアイコン。





わざわざ電話かけてきてくれるんだ...。





少し緊張しながら、私は通話ボタンをタップする。





それから、自分の耳にスマホを当てた。







あなた

も、も、もしもし...!








緊張のあまりたじたじになり、声が裏返る。





やっちゃった、変に思われてないかな。





そう思いながら返答を待っていると、電話越しにクスリと笑う声が聞こえてきた。







青柳冬弥
柏田も緊張したりするんだな







クスクスとおかしそうに笑う彼の声を聞いて、自然と胸が高鳴る。







あなた

も、もう...。電話とか初めてなんだもの、緊張するよ

青柳冬弥
ふっ、すまない。柏田の反応が面白くて、つい







青柳くんって、たまに意地悪なのかも。





電話越しからの笑い声を聞きながら、ふとそんなことを考える。







青柳冬弥
でも確かに、こうやって2人で電話するのは初めてだな







と、青柳くんが改まったように言った。







青柳冬弥
学校以外で話すのは、初めてだな
あなた

そ、そうだね








表情を見られることはないとはいえ、やっぱり緊張する。





誰かと電話するなんて、なかったから。







あなた

えっと、あ、明後日だったよね!

青柳冬弥
そうだな。待ち合わせ場所はどうする?
あなた

うーん...。ゲームセンターの近くに、なにか施設とかある?

青柳冬弥
確か、コンビニがあったはずだ。そこにするか?
あなた

うん!じゃあそこのコンビニに、えっと...








待ち合わせ場所を決めたところで、私は言葉に詰まる。





時間はどうしよう。





どうせなら早い方がいいよね、だって、青柳くんと長い時間一緒にいられるし...。





って、なに考えてるのよ私。







青柳冬弥
午前中の10時はどうだ?時間もたくさんあるから、ゆっくりできる







迷っている私に、青柳くんが電話越しに言った。





10時か、なら大丈夫かな。







あなた

じゃあ、その時間がいい。10時にコンビニ集合、ってことになるんだよね?

青柳冬弥
ああ。柏田は大丈夫か?
あなた

大丈夫だよ!ありがとね、青柳くん








そう言うと、電話越しに青柳くんが笑ったような気がした。







青柳冬弥
じゃあ、明後日、楽しみにしてる。おやすみ、柏田
あなた

うん。おやすみなさい、青柳くん








そう言って、お互いに電話を切る。







"楽しみにしてる"







青柳くんのこの言葉が、頭から離れない。







あなた

...そんなの、








こっちのセリフだよ。





彼の言葉が嬉しくてベッドの上で足をばたつかせているうちに、私はいつの間にか眠ってしまっていた。

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