第7話

No.7
4,246
2021/05/23 01:25
東雲彰人
おはよう、柏田さん
あなた

おはよう、東雲くん








朝。





学校に登校していつも通り本を読んでいると、東雲くんが笑顔で挨拶をしてくる。





東雲くんって、なんか人によって性格コロコロ変わるよね。





もしかして二重人格...いや、さすがにないか。







白石杏
あ、いたいた。彰人〜、冬弥が呼んでる
東雲彰人
おー、今行く







突然そう言って教室に顔を出したのは、A組の白石杏ちゃん。





確か、風紀委員だったっけ。





話したことないからわかんないけど、そうだった気がする。







東雲彰人
んで、冬弥は?
白石杏
さあ?
東雲彰人
さあ、って...お前な







あっけらかんと言う白石さんに、呆れたような表情をする東雲くん。





そんな二人のやり取りを見て、思わず笑ってしまった。







東雲彰人
おい、柏田さんに笑われてんぞ、お前
白石杏
はぁ?私じゃなくて彰人に対して笑ったんでしょ?
東雲彰人
いや、絶対お前だ
白石杏
絶対彰人だってば







あわわ、もしかして私のせい?





睨み合っている二人に駆け寄り、私は慌てて弁解する。







あなた

えっと、二人のことを笑ったわけじゃないよ?ただ、二人の会話がちょっと微笑ましいな、って思っただけで...

白石杏
なーんだ、そういうことか。もう彰人ってば、変な勘違いするからこの子困ってるじゃん
東雲彰人
っ...悪かったよ







えぇ...。





東雲くん、ちっとも悪くないよ?







あなた

謝らないでいいよ。悪いとか、そんなの全然思ってないし

東雲彰人
そ、そっか。ならよかった







そう言うと、東雲くんは安心したように笑った。







白石杏
あ、ねえねえ。私のこと知ってたりする?
あなた

え、えっと...風紀委員の白石さん、ですよね?

白石杏
あ、知ってくれてたんだ!嬉しい!
あなた

ひぇっ、!?








ガッシと急に両手を握られ、私は驚いて声を上げる。







白石杏
改めて、1年A組白石杏です。よろしくね!
あなた

えっと、い、1年C組柏田あなたです...。よ、よろしくお願いします、白石さん

白石杏
杏でいいよ!私もあなた、って呼ぶからさ!あと同い年なんだし、敬語もなしで!
あなた

じゃあ、よろしくね、杏ちゃん








そう言うと、杏ちゃんは嬉しそうに笑った。





すごい明るい子だな、やっぱり。







東雲彰人
おい杏。あんまぐいぐいいくなよ、柏田さん可哀想だろ
白石杏
なによ彰人。私とあなたは友達なんですー
東雲彰人
へいへい







杏ちゃんの言葉に、東雲くんが呆れたように言う。





そのやり取りを見て、私は再び笑った。

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