第9話

No.9
4,144
2021/05/23 07:44
青柳冬弥
先輩は、2年生の教室で待ってくれているはずだ







放課後。





青柳くんがそう言っているのを聞きながら、2年生の教室へと向かう。







東雲彰人
そういえばその先輩って、なんて名前なんだ?
青柳冬弥
司先輩...天馬司先輩だ
東雲彰人
ふーん...ん?天馬?







なんかそれ、どこかで聞いたような...。





横を見ると、東雲くんも同じ反応をしていた。





どこで聞いたんだっけ。









***









青柳冬弥
失礼します







着いたのは、2年C組の教室。





青柳くんが入ったのに続き、私と東雲くんも教室に入る。





と、







???
おやおや、本当に前髪が焦げているねえ。司くん
???
誰のせいだ!うう...これはどうしたら戻るんだ...







そんな会話が聞こえてきた。





目を向けると、そこにいたのは昼間中庭で騒いでいた、2年の間で変人ワンツーフィニッシュと呼ばれている人たちの姿があった。





こんなとこで会うとは思わなかった...。





ちらりと横を見れば、東雲くんも顔を顰めている。





たぶん、私と同じこと思ってるな。







青柳冬弥
司先輩。お待たせしました
東雲彰人
...は?
あなた

へ?








私と東雲くんは、同時に声を上げる。





え、まさか...。







天馬司
おお、来たな冬弥!待っていたぞ!
青柳冬弥
お忙しい中時間をつくってくれて、ありがとうございます
天馬司
ハーッハッハッハ!気にするな、オレとお前の仲ではないか!







やっぱりか。





青柳くんが言ってた先輩って、この人のことだったんだ。







神代類
ほほう、君が青柳冬弥くんかい?こんな真面目そうな好青年が、こんな奇妙奇天烈な人物を尊敬してやまないなんてねえ
天馬司
誰が奇妙奇天烈だ!







そんな会話を呆然としながら聞いていると、青柳くんが私たちの方に向き直って言った。







青柳冬弥
彰人、柏田、紹介する。昼休みに話した俺の尊敬する先輩だ
東雲彰人
マ...マジかよ...
あなた

...








青柳くんの尊敬する先輩が、あの変人ワンツーフィニッシュ...。





呆然としていると、天馬先輩が私たちを見て言った。







天馬司
おお!お前が東雲彰人か!冬弥から話は聞いてるぞ!
東雲彰人
あ、ありがとうございます...







東雲くんの笑顔がかたまってる。





うーん、波乱の予感...。

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